梅雨が近づくと、心配になるのはお弁当の食中毒。
家庭で作ったものに多いのは「黄色ブドウ球菌」でしょうか?
家庭で作るなら、傷みやすい食材を避けるとか、手をしっかり洗うとかで対策を取っているお母さんが多いんでしょうね。
我が家の母も、長年お弁当を作ってくれて、幸い、誰も食中毒になったことはありません。
でも、怪しいときもあり、お弁当を残してました。
母からも、そう言われていましたしね。
そんな愛情感じるお弁当の思い出。
調理師となり、食品衛生を学んだ今、お弁当で食中毒を出さないために、家でできる対策を母に伝授するのが子の務めかと思い、筆を執りますよ~!
食中毒を防ぐための三大原則!
食中毒の主な原因は、細菌、ウィルス、そして食材の持つ毒です。
体の許容量を超えるこれらを摂取すると、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状に見舞われ、時には命に関わります。
食中毒を防ぐための三大原則というものがあります。
菌を「つけない・増やさない・殺す」です。
最後の一言だけやけに物騒だな~と教科書読んで思ってました(Ü)
まず、つけない。
食中毒で最も多いと思われる原因菌「黄色ブドウ球菌」。
人の手のひら、特に傷口にたくさんいます。
これを防ぐために、手洗いと食器や道具の洗浄をしっかり行いましょう。
特に、お弁当のフタの隙間とか、要注意です。
ここにカスが残っていて、雑菌が繁殖する格好の餌になることがありますからね。
おにぎりを作るときは、できればラップを使い、直接手を触れない方が衛生的です。
気持ちの問題じゃないんです。衛生面の問題です。
もちろん、塩水を手に付けて握ったおにぎりは美味しいですよ。
しかし、作って数時間後に食べるようなお弁当には向きません。
今作って、今食べるんならいいですけどね。塩むすび美味しいですもんね。
次に、増やさない。
菌が繁殖するには、エサ・水分・温度が必要です。
エサとなる食材があって、適度な水分があり、だいたい35℃くらいの温度で大増殖します。
(※厳密には菌によって違います)
防ぐためには、
しっかり加熱!
必ず、冷ます!
生野菜の水分は、ちゃんときる!または拭き取る!
特に、野菜のヘタは雑菌が繁殖しやすいです。
プチトマトはヘタを必ず取って入れましょう。
その方が食べる方も楽ですしね!
だいたいの菌は10度以下で活動を弱めます。
しかし、寒さでは死滅しません。
活動を弱めているだけで、温かくなれば再び増殖するので要注意です。
できれば、保冷バッグなどを使って、食べる直前まで冷えている状態を保った方が衛生的にはいいです。
美味しくない・・・と思わずに。
最後に、殺す。
前述したとおり、菌は寒さに強いです。
死滅させるには、加熱が有効です。
だいたいの菌は、85度以上1分以上の加熱で死滅します。
加熱後は、ちゃんと冷ましてからお弁当にいれてくださいね。
また、度数の高いアルコールやお酢は殺菌効果があります。
キッチンペーパーにお酢やアルコールを含ませ、お弁当箱などをさっと拭いておくだけでも効果的。
ちなみに、私が働いていたホテル厨房では、作り置きする団体料理の器はアルタンスプレーを使用していました。
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お弁当に向いている!殺菌作用のある食材
梅雨時期のお弁当に活躍してくれる、殺菌作用のある食材たち。
日本古来の食材から、今話題のあの野菜も!
・梅干し
「シソ」「大葉」や「ゆかり」も同様です。
ほぐして全体に入れると効果アップ!おにぎりにもイイよね!
・わさび、からし
辛み成分を持つものは、抗菌・殺菌作用があることが多いです。
ただし、唐辛子は除虫効果があるものの、食中毒細菌を殺す効果はありません。
・ショウガ
古くから漢方にも使用されるショウガ。
食欲増進、消化を助ける作用もあります。
・パセリ
香り成分に殺菌作用があります。彩りとしても使えますね。
・玉ねぎ
玉ねぎは殺菌効果、疲労回復、不眠症にも効くという万能食材です。
涙をよぶ成分「硫化アリル」の賜物ですので、涙はぐっと堪えましょう!
・パクチー(香菜、コリアンダー)
人気急上昇中のパクチーも、高い殺菌作用があるハーブです。
アジア料理の衛生を守っているのは、この野菜なのかもしれません。
日本人にとってお弁当って、愛情を感じるものでもあり、世界に誇る素晴らしい文化だと思います。
「BENTO」が英語になるくらいですから、それほど独特の文化なんでしょう。
私にとっては、兄妹と父に20年以上毎日朝起きてお弁当を作ってくれた、母親の凄さを感じさせる象徴的存在。
毎日って、本当にスゴイと思います。
そんなお弁当。食中毒で嫌な思い出にならないように、衛生面も気をつけたいものですね。
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