料理レシピの人気サイト、クックパッドで最近「おにぎらず」が流行ってるそうです。
気になってのぞいてみたのですが、なるほど~と思える一方で、「おにぎらず」は塩で握ってないのでおにぎりよりも保存性が低いとの情報が・・・
ですが、元調理師としての立場から言わせてもらえば、それ間違ってますよ!
おにぎりは、塩を使っているから傷みにくいわけではない!
塩は雑菌の繁殖を防ぎ、長期保存を可能にする調味料として有名です。
代表的なのが、梅干しなどの漬物。
大事なのは、食べ物を腐る = 微生物が繁殖しているということ。
生物が繁殖するには水分が必要です。
塩は水分と結合して微生物が利用できないようにします。
この状態を結合水といいます。
塩と結合していない、微生物が使える水分を自由水と言います。
自由水が少なければ、微生物は繁殖しづらくなります。
ここで、重要なのが塩分濃度です。
漬物は低くても塩分濃度10%以上あります。
なので、自由水が少なく日持ちがします。
塩分濃度が濃いほど長く保存できます。
では、塩おにぎりの塩分濃度は何%でしょうか?
通常、おにぎりを握る時に使う塩水は海水と同じ3~4%です。
漬物より全然低いですね。
そう、おにぎり程度の塩では保存の効果はほとんど望めないのです。
これは、昔【所さんの目がテン!】でも実証してましたね。
よって、「おにぎらず」よりも塩おにぎりの方が、塩を使っているから腐りにくいということはありません。
「おにぎらず」は本当にお弁当に向かない?
では、「おにぎらず」はおにぎりのように長時間持ち歩くお弁当向きではないのか、考えてみます。
「おにぎらず」はラップに海苔をひいて、ご飯と具を乗せ、四隅を折って四角くに作る料理です。
ホットサンドみたいですね。
この作り方だと、手が汚れないから楽と人気が出たようです。
手が汚れない = 食材に手が直接触れない
食品衛生面から考えれば、人間の手のひらには菌がたくさんいます。
おにぎりは直接手で握ることで、雑菌がご飯に移ってしまいます。
だから、工場などで作る市販品は手袋をはめるんですね。
そう考えると、「おにぎらず」は直接手が触れないため、雑菌がご飯に移る可能性が低いですね。
そのため、保存性は悪くないかと考えられます。
ただ、中の具が普通おにぎりには使わないようなものだったり、温かいままの具を詰めてしまったりすると、要注意です。
雑菌の繁殖しやすい40度前後の温度で長時間置けば、当然傷みます。
ですので、中の具はしっかり冷まして詰める。
ラップは作ったら一旦はずして、「おにぎらず」を冷ましてから密封する。
(温かい状態で密封してると蒸れて雑菌が繁殖しやすいです。)
その点に気を付ければ、「おにぎらず」だってお弁当にしても大丈夫でしょう。
あとは、中に傷みやすい具を入れないことですね。
「おにぎらず」に限らずお弁当って、作り手の気遣い一つで保存状態はぐっと変わります。
料理は愛情といいますが、相手が安全に安心して美味しく食べてもらえるように、作り手はたくさん気を使って作っています。
お弁当って、まさに愛情そのものなんですよ。
あ~誰かお弁当作ってくれないかな~(^^;)
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