エチゼンクラゲとビゼンクラゲの違いは?同じ食用でも高級中華食材になれない理由!

日本で大量発生が問題となるクラゲ。

エチゼンクラゲも、ビゼンクラゲも、どちらも食用クラゲです。

しかし、エチゼンクラゲは一部を加工用にする程度で、安く労働力に見合わないことから駆除対象。

一方、ビゼンクラゲは中華の高級食材となっています。

同じ日本海で大量発生するクラゲでありながら、なぜこんな格差が生まれてしまったのでしょうか・・・?

(トップ画像はエチゼンクラゲです。出典:http://blog.tsushima-net.org/?month=201010)

 

食用クラゲの種類

食用とされているクラゲは、全部で6種類です。

・エチゼンクラゲ

・ビゼンクラゲ

・ヒゼンクラゲ

・キャノンボールクラゲ

・ホワイトクラゲ

・チラチャップクラゲ

 

クラゲは大きく、業務用と加工用に分かれます。

加工用とは、スーパーに売られている「塩クラゲ」などになるやつです。

加工用には、主にホワイトクラゲが使われています。

タイやインドネシアで獲られています。

 

業務用は、中華でよく前菜として使われているやつです。

中でも「ビゼンクラゲ」が高級とされています。

 

ちなみに、中華食材でお馴染みの「きくらげ」はキノコであって、クラゲじゃありません。

 

 

高級中華食材ビゼンクラゲ!

「ビゼンクラゲ」と「ヒゼンクラゲ」は、名前が似てますが違うクラゲ。

中華で高級食材とされているのは「ビゼンクラゲ」です。

近年、佐賀県あたりで大量発生して話題になりました。

 

主要産地が日本海なんですが、中国近海で獲れる量が多くないんですね。

そのせいで、希少性という点で高級食材扱いです。

 

一方、日本で同じく大量発生している「エチゼンクラゲ」。

こちらは産地が、東シナ海、黄海、渤海、日本海とかなり広大。

中国でもたくさんとれるし、何よりビゼンクラゲの方が美味しいため、B級クラゲ扱いなんです。

 

エチゼンクラゲも、ビゼンクラゲも、同じビゼンクラゲ科の生き物なんですけどね。

 

ちなみに、ビゼンクラゲは英語で「Edible jellyfish(食べられるクラゲ)」。

エチゼンクラゲは「Nomura’s jellyfish(野村のクラゲ)」。

エチゼンクラゲが命名された当時の、福井県水産試験場長・野村貫一さんの名字からです。

英語圏じゃ、食べられるという認識すらされてないかの如く、名前に差が出ましたね。

 

エチゼンクラゲの駆除方法が・・・

エチゼンクラゲは食用にもできるのに、いつも邪魔者扱いされています。

というのも、巨大すぎて獲るのも、加工にも手間がかかり、コストが高くつくんです。

小さくて手間のかからず、漁獲量も多い他の食用クラゲと比べると割に合わないので、食用できるにも関わらず、需要が低いんですね。

 

大量発生すると、魚網を破ったり、網が引っ張られて船が転覆したり、何かと危ないため駆除されてしまいます。

 

駆除方法が、スゴイんですね。

天敵のハギに襲わせたり、

大型クラゲクラッシャーポンプというポンプで吸い込み、カッターで切り裂くというもの。

エチゼンクラゲは再生力が低いので、体を切り裂けば、だいたい死ぬそうです。

駆除後は大量の死骸が・・・。

 

しかし、わざわざ駆除専用の機械が作られているあたりに、被害の深刻さを感じますね。

一時期、アイスなど、なんとか食べようと加工品があれこれ考案されましたが、あまり普及せず。

やっぱり、美味しくなれなかったんですね。

 

 

クラゲ大量発生の原因は、沿岸開発、温暖化による海水温度上昇などが考えられています。

美味しいビゼンクラゲの大量発生なら歓迎されるのに、エチゼンクラゲは厄介者扱い。

エチゼンクラゲが知ったら、差別だと訴えられそうです(^^;)

 

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