3月のお彼岸には、「ぼたもち」をお供えしますね。
「ぼたもち」は「牡丹餅」と書き、牡丹の花の咲く季節だから「牡丹餅」と呼びます。
夏・秋・冬では、同じぼたもちでも呼び名が変わるんですよ。
おせち料理といい、日本の食文化って、つくづく駄洒落が好きだな~と思いますね。
日本人はユーモアがないなんて、嘘ですよねぇ~。
伝統文化まで駄洒落だらけじゃないですか(笑)
「ぼたもち」「おはぎ」の違い
「ぼたもち」も「おはぎ」も基本的には同じものです。
粒あんだろうと、こしあんだろうと、ゴマあんでも、きな粉でも、全部同じです。
「ぼたもち」は季節によって名前を変える和菓子なんです。
春は「牡丹餅」。
牡丹の花の咲く季節だからです。
もともとは、赤い小豆あんをまぶしたお餅が、大きな牡丹の花に似ていたからとも言われています。
秋は「お萩」。
秋の花「萩」から。
こちらは萩の花に似せて、俵型に作っていたそうです。
どちらもお彼岸にお供えするものですね。
その昔、砂糖は高級品で大事な節目の行事や、お客様に振る舞う時にだけ甘い和菓子を作るのに使っていました。
加えて小豆は古来より邪気を払うとされていて、特別な日のごちそうであるお餅を小豆あんで包んだ和菓子をご先祖様に供えて、家族の平穏をお祈りするようになったそうです。
また、秋は新しい小豆で皮が柔らかいので粒あんで作り、
春は古い皮の固くなった小豆を使うため、こしあんで作っていたそうです。
このことから、こしあんのものを「ぼたもち」。
粒あんを「おはぎ」と呼ぶこともあります。
「ぼたもち」の夏・冬の名前と由来
春は「牡丹餅」。秋は「お萩」。では、夏と冬は?
夏は「夜船(よふね)」。
冬は「北窓(きたまど)」と呼びます。
お餅はぺったんぺったん、杵と臼でつきますよね。
しかし、ぼたもちのように完全なお餅でなく、粒の残った半殺し状態。
ぺったんぺったんとつく音がしないことから、
つき知らず → 着き知らず → 「夜船」
と呼びます。夜の船はみんなが寝静まっていて、いつの間にか到着しているためですね。
駄洒落からの連想ゲーム!
同じく冬は、
つき知らず → 月知らず → 「北窓」
北の窓は一晩中月がでないからですね。
日本語のユーモアある名づけ方って、けっこう好きです。
階段の「踊り場」とか。
役割とか見た目でなく、その場の状況を想像させるような名称ですよね。
日本人は昔から想像力もとい妄想力が豊かだったのでしょうねー。調べてみると、いろいろ面白いです。
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秋は北窓じゃなく冬じゃないですか?
ミスです。失礼しました。
修正いたしました。