向井理紗さんの受賞した「ロレアル – ユネスコ女性科学賞」とは?日本人初の快挙!

再び、リケジョブームが来るかもしれません。

愛媛県松山市出身の向井理紗さんが、「ロレアル – ユネスコ女性科学賞 国際新人賞」を受賞しました。

日本人の受賞は初めてだそうです。

ロレアルというのは、言わずと知れた化粧品会社ですよね。

ユネスコの名がつくあたり、国際的権威のある賞のようですが・・・

少し詳しく調べてみました。

(トップ画像:http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-lif1604050027.html)

 

「ロレアル – ユネスコ女性科学賞」とは?

まず、「ロレアル」はフランスに本部を置く化粧品会社です。

1907年に髪の毛のカラーリング剤を作ったのが始まりです。

当時のカラーリング剤は強い薬品を使用していたそうですが、安全性の高いカラーリング剤を開発し、ヘアサロンに売り歩いたそうです。

「研究開発と美しさの改革」を掲げ、ロレアルは様々な美容分野に進出していきました。

パーマ、スタイリング、ボディケア、スキンケア、洗顔、香水などなど。

現在50以上のブランドを持つ、国際的大企業です。

 

この「ロレアル」国連専門機関「ユネスコ」が創設したのが「ロレアル – ユネスコ女性科学賞」。1998年にできた、比較的新しい科学賞です。

「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている」

という理念のもと、世界の女性科学者の業績を称えるとともに、同分野で活躍する女性たちの更なる飛躍と地位向上を目的としています。

女性限定なんですね。

 

受賞分野は、生命科学と物理科学に分けられていて、隔年で受賞者を選出しています。

受賞者の選出は、国際選考委員会によって行われます。

構成メンバーは、ノーベル賞受賞者を含む世界の科学界の権威とされる方々です。

 

パリ本社主催の賞は2つあり、

・ロレアル – ユネスコ女性科学賞 5名(賞金10万USドル)

・ロレアル – ユネスコ女性科学賞―国際新人賞 15名

 

10万ドルというと、約1000万円ですか。

国際新人賞にも、賞金が出るそうです。ちょっと金額は分かりませんでした。

研究の継続支援が目的で、賞金を贈呈しているそうです。

 

この他に、本部以外の各国主催の賞も設けられています。

日本だと、「日本 ロレアル – ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」です。

向井理紗さんは、2015年に奨励賞を受賞されていました。

 

「ロレアル – ユネスコ女性科学賞」過去に日本人も受賞している!

パリ本部主催の「新人賞」は日本人初でしたが、「女性科学賞」は過去に日本人5受賞されています。

 

2000年、岡崎恒子(名古屋大学名誉教授)

2005年、米沢富美子(慶応大学名誉教授)

2009年、小林昭子(日本大学文理学部化学科教授、東京大学名誉教授)

2013年、黒田玲子(東京理科大学総合研究機構 教授、東京大学名誉教授)

2014年、稲葉カヨ(京都大学副学長、女性研究者支援センター長、大学院生命科学研究科教授)

 

研究者の世界は男性優位といいますが、優秀な女性が多くいるのですね。

こういった賞があることを、今回初めて知りました。

もっと世間の認知度と関心を集めて、彼女たちの地位が向上されればいいと思います。

日本では女性が強くなってきているとはいえ、まだまだ男性社会だと感じますので。

 

 

向井理紗さんが受賞した理由!

向井理紗さんが受賞した研究は、成人T細胞白血病(ATL)を発症する仕組みの解明について。

感染しても症状が出る人のほとんどが40歳以上ですので、病名に「成人」とつくそうです。

完治につながる治療法はまだありません。

 

向井さんの研究は、ウイルス由来のタンパク質の体内での動きを突き止めたというもので、効果的な新薬の開発につながる可能性が高いそうです。

また、妊婦健診でウイルス検査が公費負担で行えます。

感染が判明した母親が子供に母乳を与えないようにする予防策を取れば、ATL患者を減らせるそうです。

それでも、母乳で育てるのが良いという考えが根強いため、予防策の成果がまだまだ低い状態。

・・・これは、難しいところですね。

まずは、公費負担で検査ができる。子供への感染は予防できるということを、広く知ってもらう必要があるわけです。

 

こういう科学賞などの受賞を機に、世間認知度も同時に広まりますように。

 

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