辛いうどんと言えば、カレーうどん。
いやいや、「おしぼりうどん」でしょ。
「おしぼりうどん」とは、長野県の郷土料理でつけつゆに、味噌と大根おろしという珍しいうどん。
温でも冷でも、美味しく食べられます!
「おしぼりうどん」の特徴と魅力
「おしぼりうどん」は長野県は、埴科郡坂城町周辺の郷土料理。
大根おろしを布巾で絞ったしぼり汁を使うのが特徴で、「おしぼり」の由来にもなっています。
使う大根は、辛味が強烈な、ねずみ大根。
ずんぐりした形に、ヒュッと伸びた根の見た目がねずみに似ていますね。
大根おろしの汁に、味噌を溶いて、薬味に葱や削り節を入れて食べます。
想像以上に辛いので、味噌を多めに溶くとまろやかになって食べやすいですね。
元々、囲炉裏があった時代にうどんを鍋に入れて囲炉裏に吊るし、それを囲んで。、器にひっぱり上げて食べていたそうです。
それ故、「ひっぱりうどん」の別名もあるんだとか。
基本は、温かいうどんですが、冷たいうどんでも美味しいですよ!
同じく長野県内の戸隠や千曲市では、
冷たい蕎麦を、大根おろし汁と味噌のつけつゆで食べる「おしぼりそば」があるそうです。
こっちも美味しそう!
ねずみ大根の代用品は?
食べられるお店ですが、長野県外ではほとんどありません。
都内に数軒ある程度。
長野に行って食べられたら最高ですが、家庭で作ってもいいですね。
作り方自体は難しくないですが、問題は「ねずみ大根」。
普通に八百屋で売っていないので、他の大根で代用します。
辛味大根と呼ばれるものがあれば、ベストですね。
辛味大根は、白くて普通の大根より小ぶりで短いものや、丸いもの、緑色のもの、赤いものがあります。
ただし、
同じ丸でも、聖護院大根ではないし、
同じ緑でも、ビタミン大根ではないし、
同じ赤でも、サラダ大根・紅芯大根・紫大根とは違うので要注意!
店員さんに辛い大根か、確認する方が確実です。
普通の大根なら、なるべく先っぽの方を使いましょう。
大根は上の青い部分が甘く、下の方が辛くなっています。
おしぼりうどんの材料(一人分)
ねずみ大根・・・2/3本分
(普通の大根なら、1/4本)
味噌・・・・・・大さじ1
かつお節・・・・大さじ1
葱・・・・・・・適量
う ど ん・・・・1玉
作り方
①薬味の葱を刻み、皿に盛っておく。
味噌、削り節も盛りつけておく。
②たっぷりのお湯を沸かし、うどんを入れ茹でる。
③うどんを茹でている間に、大根をおろす。
ガーゼでしぼり、汁を器にいれる。
④茹で上がったうどんを、器にとり、冷めないようにゆで汁を入れておく。
冷たいうどんの場合は、水で洗って皿に盛る。
⑤大根のおろし汁に、味噌と薬味をお好みで溶いて食べましょう。
ポイント
大根おろしは時間がたつと辛味が薄れるので、なるべく食べる直前におろすといいです。
大根おろし汁をたっぷりと、さらに辛味をだすために、「の」の字を書くようにして力強くおろしましょう。
こうすることで、たくさん水分が出て、辛味が水分に移ります。
逆に、大根おろし自体は辛味が抑えられます。
上下に素早くおろせば水分はあまり出ず、大根おろし自体が辛くなりますよ。
大根おろしは、おろし方で辛さが変わるんです。
大根の辛味成分は、健康効果がスゴい!
大根おろしの辛味成分は、イソチオシアネート。
大根をすりおろすと、細胞が破壊され、イソチオシアネートが生成されます。
つまり、大根おろしにすることで、イソチオシアネートができるんです!
この、イソチオシアネートには抗酸化作用による美肌効果やアンチエイジング、
解毒作用、殺菌作用などによる食中毒予防、抗炎症作用、発がん抑制、消化促進などなど。
様々な健康効果があると言われています。
大根おろしに医者いらず
という言葉があるほど、健康にいいんですね。
生の大根には酵素も多く含まれているのも嬉しいところ。
ただし、ビタミンC分解酵素も持っているのですりおろしたら、なるべく早く食べるのがいいですよ。
夏でも冬でも、美味しい大根。
その大根の汁だけを使うなんて、「おしぼりうどん」は贅沢品なのかもしれませんね~。
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