ボジョレー・ヌーボーは日本が救った!?歴史と種類、「解禁日」がある理由!

毎年、ボジョレー・ヌーボー今年の解禁日は〇〇です!って騒がれますよね。

なぜ、ワインの中で、ボジョレーだけが解禁日なんてあるんでしょうか?

そもそも、ボジョレーってワインと何が違うの?

その辺をボジョレー・ヌーボーの誕生秘話とともにご紹介しましょう。

 

ボジョレー・ヌーボーの意味!他のワインと違う?

ワイン

まず、フランス語なのは推察できますよね。

「ボジョレー」「Beaujolais」で、フランス・ブルゴーニュ地方の南部の地名です。

「ヌーボー(ヌーヴォー)」「nouveau」で、「新しい」という意味です。NEWってことです。

 

「ボジョレー・ヌーボー」=「ボジョレー地方の新酒」

ってことです。

 

では、ボジョレーは他のワインと何が違うのか?

大きく違うのは、作り方です。

普通ワインは赤でも白でも、ブドウを搾ってブドウ汁の状態にし、酵母を加えてアルコール発酵させます。

 

ボジョレーヌーボーはブドウを房ごと取って、タンクに詰めます。

するとブドウが発酵し炭酸ガスが発生し、ガスによりブドウが持つリンゴ酸分解酵素が

活発化してアルコールが生成されます。

 

醸造法が違うので、飲み方も変わってきます。

普通のワインは少し寝かせると、苦み成分のタンニンがまろやかになり飲みやすくなります。

(ワインの製造方法やブドウの品種によっても違います。)

それに対し、ボジョレー・ヌーボーは寝かせると発酵が進み、になります。

なので、寝かせず新しいうちにサッサと飲む特殊なワインなのですね。

 

ボジョレー・ヌーボー誕生の歴史

フランス革命

※画像はまったく関係ありません!

 

ボジョレーは、「ガメイ種」というブドウで作ったものだけを言います。

(白はシャルドネを使っています。)

 

その昔、この「ガメイ種」は栽培しやすく収穫量が多い良いブドウでした。

しかし、栽培されてたコート・ドール地域では酸味が強くて薄い、まずいワインしか作れませんでした。

 

当時の統治者フィリップ公はこのワインを嫌って、

「まずいワインなんか飲めるか!ガメイ種を植えるのを禁止だ~!」

と、コート・ドールでの栽培を禁止しちゃいました。

 

引っこ抜かれた「ガメイ種」は、仕方ないからもっと南の地域に移植されました。

そこが現在のボジョレー地域でした。

ボジョレーと「ガメイ種」は相性が良かったのか、なぜかここでは美味しいワインが作れましたとさ。

めでたし、めでたし。

 

ボジョレー・ヌーボーに「解禁日」がある理由

コルク 瓶 ワイン

ボジョレー・ヌーボーはもともと、その年のブドウの出来を見る、新酒のお披露目会のために作られました。

ブドウの出来が分かれば、その年のワインの出来も分かるからです。

そのため、すぐに飲めるワインを作って試飲するのが目的でした。

 

ですが、メーカー各社がいち早く新酒を売ろうと「早出し競争」を始めてしまいました。

これに困ったフランス政府は、1967年に「解禁日」を定めました。

「11月15日」に。

 

「?、でも第3木曜日だよね、今は・・・」

 

実は、フランス政府は最初「11月15日」を「解禁日」としたのですが、

「11月15日」が日曜日に当たると、休日はしっかり休むフランスでは配送トラックがストップしてしまい、市場に品物が届かないという緊急事態に!

 

日曜日に当たったら困るから、

「11月の第3木曜日」「解禁日」となったのでした。

 

ラッキー♪「解禁日」を作ったら売上が上がった!

ボジョレー・ヌーボーは当時からそこそこ人気のブランドワインだったそうです。

それが、「解禁日」が制定されたために、更なる人気を博しました。

 

人は、〇個限定!とか、生産終了!

となると、途端に欲しくなる生き物です。

手に入らないと分かると、レアものになるんですよね。

その効果が「解禁日」でも発揮されました。

その日まで手に入らないという感情から、発売日に爆発的に売れるようになったのです。

 

さらに、「解禁日」がイベント化したことで売り上げアップに加担。

バレンタインにチョコを買うように、「解禁日」にボジョレーを飲むといったイベントとして広まりました。

 

ボジョレー・ヌーボーを1番買うのは日本だった!

日本 国旗

いまや、生産されるボジョレー・ヌーボーの約半数を、日本が輸入しています。

2012年には880万本で、2位のアメリカ220万本と圧倒的大差をつけました。

人口比率で考えると、かなりスゴイことなんだと分かりますね。

日本人はお祭り好きな民族として有名ですが、なぜここまで・・・

 

これは、日本の風習とボジョレー・ヌーボーが相性が良かったからじゃないかと言われています。

日本酒はボジョレー・ヌーボーと同じで、熟成させて飲むお酒ではありません。

毎年、蔵開きを行い新酒を楽しむ風習があります。

 

ワインと言えば、やはり良いとされるのは寝かせたヴィンテージワイン。

新酒はそこまでヨーロッパの方々に受け入れにくかったのしょう。

逆に日本の酒の風習に似ていたことと、イベントごと大好きな国民性、お花見やお月見のように季節感が楽しめると、日本とボジョレーは相性抜群マリアージュだったんですね♪

 

フランスにとっては生産者冥利に尽きるお客さん

現地フランスでは、日本のこの盛り上がりはどう思われているのでしょうか?

フランス人以上に盛り上がっているとの評判がありました。

 

フランスのフィガロ紙では

「日本人はボジョレー・ヌーボーを好んで開けてくれる。

しかめ面などせず価値を認めてくれて、満足してくれる」

と喜びの声。

日本人が美味しく楽しくボジョレーを飲んでいるのを、生産者さんたちは喜んでいる模様。

また、売上げは、ボジョレー地区のワインの品質向上にも一役買っているそうです。

 

ワインは日常酒のイメージが強いフランスでは、ボジョレーの売り上げは大きく見込めるものではなかったようです。

日本に輸出することで、費用と労力を投資してワイナリーの評価をあげてきています。

美味しくボジョレーを飲み続けることで、さらに美味しいボジョレーが飲めるようになるんですね~。

今年も「解禁日」が楽しみです(^^)

 

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