渡辺謙さんがトニー賞にノミネートしたミュージカル「王様と私」。
ここに、もう一人の日本人が参加していました。
伊熊啓輔さん。
ブロードウェイミュージカル史上で初めての、日本人指揮者です。
彼はオーボエ・イングリッシュホルンの奏者でしたが、20代のころに「50歳になったら指揮者になる」と夢を抱き、見事「日本人で初めて」という称号付きで夢を叶えたんです。スゴイ！！
（トップ画像：伊熊啓輔さん本人ブログ）
伊熊啓輔さんの経歴・プロフィール
本名：伊熊啓輔（いくま けいすけ）
生年月日：1965年1月3日
出身：東京
血液型：B型
学歴：慶応大学法学部 卒業
マンハッタン音楽院 卒業
経歴
3歳の時にピアノを習い始める。
中学時代はバンドを組み、キーボードを担当。
慶応高校に入学。
高校生の時に、「慶応義塾ワグネル・ソサエティ・オーケストラ」に所属。オーボエを始める。
この「慶応義塾ワグネル・ソサエティ・オーケストラ」は1901年に創設された、日本最古のアマチュア学生オーケストラです。
国内と海外を隔年で演奏旅行を行っている、名門オーケストラでもあります。
大学でも、同オーケストラに所属。
卒業後、ニューヨークの名門マンハッタン音楽院に全額特待生で入学。
相当な実力者なんですね。全額特待生とか、期待値大きすぎです！
ここで、デビッド・ギルバート氏により指揮法を学びます。
アメリカに留学した２０代の頃から「５０歳になったら指揮者になる」と心の片隅で自分自身だけに小さな声で唱えていたんです。
（引用：http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1537174.html）
音楽院を卒業後、プロのオーボエ・イングリッシュホルン奏者として活動します。
フロリダ州のニューワールド・シンフォニーの首席。
ニューヨーク・フィルハーモニックのオーボエ奏者とイングリッシュホルン奏者を歴任。
（1842年創設の歴史あるオーケストラで、アメリカ５大オーケストラの一つでもある、すごいところです。）
現在は、ハドソン・バレー・フィル、ニュージャージー・シンフォニー、プリンストン・シンフォニーなどのオーケストラ奏者として活躍中。
「ウィキッド」「オペラ座の怪人」「メリーポピンズ」「ピーターパン」など数多くのブロードウェーミュージカルにも出演し、多岐にわたる演奏活動を行っているそうです。
渡辺謙さんとの関係
伊熊さんと渡辺謙さんは、ミュージカル「王様と私」で４か月一緒にお仕事をされていました。
伊熊さんは開幕当初は、オーボエ・イングリッシュホルン奏者として出演していました。
渡辺謙さんのソロで、イングリッシュホルンとの絡みがあり、二人は楽屋を行き来するほどの関係になったそうです。
そんな彼が一念発起し、指揮者への挑戦をしたのは、同じ日本人で海外で挑戦し続ける渡辺謙さんに影響されたからだと語っていました。
「彼のチャレンジ精神には本当に脱帽します。
全くミュージカルの経験のない世界的大俳優が、母国語でない英語で歌あり踊りありの超難役を演じ、さらにトニー賞の主演男優賞にノミネートされたのですから。」
「私が指揮をしたい気持ちになったのは、謙さんのチャレンジ精神を間近で見たからに他なりません。」
（引用：http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1537174.html）
２０１５年１月に５０歳になった伊熊さん。
そこでミュージカル「王様と私」の仕事を引き受け、渡辺謙さんや個性的なプロたちから影響を受け、２０代の頃に胸に秘めていた想いが、また沸いてきたそうです。
そこへ、完璧ともいえるタイミングでチャンスが訪れました。
現指揮者のテッド・スパーリング氏が他のミュージカルのディレクターを兼任することになり、指揮者３人体制を維持するために、副指揮者のオーディションをすることになったのです。
見事に夢を叶え、プロの指揮者として日本人で初めてブロードウェイで指揮をした伊熊啓輔さん。
スゴイですよね。順調な奏者としての生活の中で薄れていた夢を、本当に５０歳の時になったら叶えてしまったのですから。
努力し続ければ、チャンスは訪れる。
逆に努力し続けていなければ、チャンスは一生訪れないのかもしれませんね。
気づけないっていうか・・・（＾＾；）
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