「風邪には卵酒を飲むといいよ。」
これは日本人なら誰もが耳にする、有名な民間療法。
ですが、なぜ卵酒が風邪に効くのか?
そのメカニズムを知らないと、思わぬリスクに陥ることも。
卵酒が風邪に効く根拠と、効果を発揮する方法をご紹介します。
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卵酒はなぜ風邪に効くのか?
風邪の引き始めに有効な卵酒。
卵酒が風邪に効くのは、日本酒と卵の栄養成分が、症状を緩和し回復力を高めてくれるからです。
日本酒の成分は、水・アルコール・糖分・アミノ酸。
卵はビタミンC以外の全ての栄養が詰まっている、完全栄養食とまで言われていいます。
つまり、卵酒が風邪に効くのは、以下の根拠がきちんとあるんですね。
・発熱で失った水分補給
・アルコールにより身体を温める効果
・アルコールが睡眠を促す
・糖分・アミノ酸がウイルスと闘うのに必要
・卵による滋養強壮
あと、卵白には塩化リゾチームという、市販の風邪薬にも配合されている成分が含まれています。
とはいえ、症状がひどくなった風邪には薬ほどの効能は期待できません。
むしろ、風邪薬と併用すると危険です。
あくまで、風邪の引き始めに、自己回復力を強化するために飲むのが卵酒なのです。
卵酒を風邪薬と併用してはいけない理由
風邪薬を飲んでいる時に、卵酒を飲んではいけない理由は、ひとえにアルコールにあります。
アルコールを摂取すると、中性神経抑制作用が増強します。
そんな状態で薬を服用すると、通常より薬の効果が強く出る、もしくは全く効果が無い状態になる可能性が強いです。
これは、体質によっても違うのですが、基本的にお酒と薬の併用は危険ですのでやめましょう。
アルコールが完全に体から抜けるのに、4~5時間かかると言われています。
これは、正確なものではなく、その人の体質・体調・摂取量にかなり左右されます。
半日以上抜けない、なんてこともざらにあるので、やはり薬を服用している場合はアルコールを控えた方が賢明です。
「でも、卵酒を作る際、加熱してアルコール分を飛ばすから大丈夫じゃない?」
確かに、卵酒を作るときに日本酒を加熱しますので、ある程度アルコールは飛びます。
が、完全にアルコールを飛ばしているとは言い難いです。
そもそも、完全に飛ばしてしまったら卵酒の効果も減ってしまいます。
アルコールを飛ばすとは、一般的にアルコール臭が感じられないくらいまでアルコールを蒸発させることを言います。
アルコールと水は親和性が高いので、沸騰させたところで100%アルコールが消えたとは考えにくいです。
それに、卵酒を作るのにボコボコ何分間も日本酒を沸騰させることは、普通にないですからね。
よって、卵酒はあくまで風邪の引き始めに飲む。
症状がひどく、風邪薬を飲むような場合は、卵酒は飲まない方がいいでしょう。
卵酒の作り方と、アルコール無しの卵酒レシピ
昔は卵酒といえば、日本酒と卵と少しの砂糖が定番でした。
でも、今は子供やお酒が苦手な人でも飲める、お酒を使わない卵酒レシピなんてのもあります。
お好みに合わせて、作ってみてください。
普通の卵酒の作り方
【材料】
・日本酒・・・180cc
・卵・・・・・1個
・砂糖・・・・お好みで
【作り方】
①日本酒を火にかけ、アルコールを飛ばします。
②卵を溶き、お好みで砂糖を加えよく混ぜます。
③溶き卵をかき混ぜながら、①の熱い日本酒を少しずつ加えます。
これで、完成。
簡単ですね。
お好みで砂糖の代わりにハチミツやキビ砂糖を使ったり、ショウガの絞り汁を足しても美味しいです。
ふわトロの卵酒で、身体の芯から温まりますよ。
アルコール無しのミルク卵酒の作り方
【材料】
・牛乳・・・・・100cc
・卵・・・・・・1個
・砂糖・・・・・お好みで
・日本酒・・・・大さじ1杯
【作り方】
①日本酒を加熱して、アルコールを飛ばします。
②卵を鍋に割り、溶きほぐします。
③溶き卵に砂糖を加え、よく混ぜ、牛乳を加えます。
④弱火にかけ、泡だて器で混ぜながら温めます。
⑤固まってきたら、日本酒を加え、トロトロになるまで加熱します。
簡単ですね。
ホットミルクに卵を加えたって感じです。
牛乳はリラックス効果があるので、やはり眠りにつきやすくしてくれ、おススメです。
似たようなものに、エッグノッグという、ヨーロッパや北米の飲み物があります。
牛乳ベースに溶き卵・クリーム・砂糖・シナモンなどを加えて作った、甘いドリンクです。
スコッチやブランデーなどを加えて、カクテルにすることもあります。
卵酒に似たものは、海外にもあるんですね。
それこそ、身体に効くと言う根拠になるんではないでしょうか。
冬に是非一度、作って飲んでみたいです(^^)