『ファインディング・ドリー』初見は日本語吹き替え版で観てきました。
でも、これから初めて観ると言う人には、字幕を強くおすすめします。
特に、大人の方は。
子供は吹替えの方が、映画に入り込めて楽しいと思います。
でも、大人になるといろいろ雑念が入るものですね。
本当に、たった一つだけの、ちょっとしたことなんですが、吹替え版を見ていて、喉に小骨が引っかかっているような違和感を感じてしまったんです。
(できるだけネタバレしないように感想を書いていますが、完全にネタバレしないのは無理です。
読む場合は、自己責任でお願いします。)
(トップ画像:http://londonmumsmagazine.com/)
『ファインディング・ドリー』吹替え版を観た感想!
なんといっても、映像が美しかった。
キャラクター、魚も鳥も、ラッコも、タコも、イルカも、全ての動きが素晴らしかったです!
が、面白さと感動は、前作『ファインディング・ニモ』を越えられませんでした。
そもそも、ニモを観に行った時は、
「魚が魚を探しに行く話。あんまり期待できないな~。」
鑑賞後→「予想外に面白かった!感動するわ~。名作だよ!」
『ファインディング・ドリー』を観に行った時は、
「ニモも面白かったし、さかなクン監修だし、予告編見る限り期待してる!」
鑑賞後→「タコがすごかった。でも、話が薄いな。」
最初の期待値が高すぎましたね。
だいたい2は、1より面白くない法則が働いてしまいました。
ピクサーは『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・ユニバーシティ』という例外を持っているので、つい期待しすぎましたね。
なんと言っても魅力的だったのが、タコのハンク!
上川隆也さんが声優を演じていました。
登場海洋生物の中で、間違いなく一番活躍してたMVP!
タコの能力の高さが半端なかったです!
主役以上に主役でした。ていうか、主役ドリーじゃなく、ハンクでしたよ。
トップ画像のポスターが、最も『ファインディング・ドリー』の内容を表していると思います。
日本版のポスターよりも、断然に!
上川隆也さんの演技も、最高でした!
子役の青山ららちゃん演じる、ベビードリーちゃんは悶絶級のかわいさでした♪
子供の頃のドリー、可愛すぎます!
ちょっと成長したニモを演じていたのが、菊地慶くん。
父親マーリンに軽く嫌味をいえるくらい小生意気に成長した、やんちゃな男の子の雰囲気がすごく良かったですよ~。
ジンベエザメのデスティニーも、可愛かったですね。
中村アンさん、全然違和感なかったです。上手い!
主役のドリーとマーリンのコンビは、前作同様なので特筆すべきことはありません。
ストーリーは、スケールが大きくなったというより、前作よりアクロバティックになったという感じ。
舞台の大半が人の作った施設内なので、前作のような海の雄大さを感じられなかったのは残念ですね。
その分、出てくる海洋生物の種類は豊富。
豆知識的な情報もたくさんあり、「水族館に来たんだっけ?」ってくらい。
観終わるころには、海の生き物に関して、トリビアが増えてますよ。
前作は父と子、両方の成長が描かれ、親子で観ても楽しめる名作でした。
が、今回は派手さ重視で、ストーリーへの「深イイ~」感があんまりなかったです。
一回見ればいいかなって感じ。
ディズニーが犯した2つの失敗?
冒頭に、特に大人は字幕版で観た方がいいと思った理由が、まず一つめ。
本人役で出演の八代亜紀さんです。
別に、八代亜紀さんの声優が下手ってわけじゃありません。
八代亜紀さんの役どころは、カリフォルニアの海洋生物研究所の館内アナウンス。
水族館のナレーションみたいな役どころです。
そこで、「こんにちは、八代亜紀です。」って言うんです。
この時、私が細かいところを気にし過ぎなのかもしれませんが、違和感を感じました。
んんんん~?
カリフォルニアの、親子で楽しむ水族館で、日本人の名前のアナウンサー?
いや、あり得なくはないですよ。
でも、カリフォルニアなのに、日本人?
せめて、「アキ・ヤシロ」だったら、まだ・・・。
一回目は、それでも、さほど違和感なかったんですが、何回も「八代亜紀です。」が流されると~。
「あれ?舞台カリフォルニアよね??」
余計な思考が働いて、物語に集中できなかったです。
今回、吹替え版は各国の有名人が、本人名で登場しているそうです。
ディズニーのサービス精神だったんでしょうけど、裏目に出てしまいましたね。
ヨーロッパとかなら違和感なかったかもしれませんが、日本はちょっと・・・。
これが、私が「ディズニー失敗したね」と思った一つ目。
2つ目は、内容を盛り込み過ぎたこと。
主要キャラクターを出し過ぎた、と言い換えられるかもしれません。
前作『ファインディング・ニモ』では、マーリンとドリーは海の中で、各キャラクターと絡みながら成長していきます。
一方で、ニモは水槽の仲間たちとの交流で成長をみせます。
マーリンと関係したキャラと、ニモと関係したキャラが、はっきり分かれています。
それにより、テーマがぶれずに、一つのメッセージが伝わります。
親と子は、時に離れることで、成長する。
でも、今回の『ファインディング・ドリー』では、とにかく主要キャラクターすべてがドリーと結びつきます。
そのため、家族の絆、マーリンたちとの友情、信じることの大切さ、臆病だったり、孤独だったり、それを乗り越えるための勇気など。
それぞれのキャラクター達が、欠点を抱えていて、それを乗り越えるという。
一見、素晴らしいんですけど、テーマが絞り切れてない分、感動も散漫。
結局、何が伝えたかったの?という印象。
それぞれの行動への動機づけが弱く、なんでそういう行動を彼らがとるのか、共感しにくかったです。
これが、2つ目の失敗だと思うこと。
1時間半の映画に、主要キャラクターが多すぎでしたね。
前作の主要キャラは、マーリン、ドリー、ニモ、ギル、(4匹)という印象でした。
今回は、ドリー、ハンク、マーリン、ニモ、デスティニー、ベイリー、(4匹と2体)と盛りだくさんでした。
総評は、CG綺麗だし、ハンクが素敵過ぎるので、観ても損はしない。
でも初見は字幕がおススメですね。
本当に、タコのハンクが良い味だしてて、帰りにタコ焼き買って帰りましたからね。
それくらい、主役がタコの映画でした。
タコ、スゴイ!
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