学校や病院、トイレの洗面所に必ずと言っていいほど置いてある「石けん」。
最近は液体が多く、「殺菌」「薬用」って書いてあるのがほとんどですね。
普通の固形石けんと、薬用石けんって何か違うのでしょうか?
薬用で体を洗うことはないから、なんとなく普通の石けんのほうが体に優しい気がします。
なら、なぜ薬用石けんがおいてあるのか?
肌にとっては、どっちを選ぶのが正解でしょう?
毎日使う石けんなのに、よく知らずに使ってました。
実は、「薬用」の効果は薄かったんですね!
そもそも、石けんとは?
たま~に美容用品で、食べられる石けん!なんて謳い文句見かけます。
石けんって、そもそも何でできているのでしょうか?
手作り石けんを作ったことあれば、分かると思いますが
石けんは、ほぼ 油!
石けんは、油・精製水・苛性ソーダの3つがあれば作れます。
では、なぜ石けんで汚れが落ちるか?
石けんには、油に溶けやすい部分(疎水基)と水に溶けやすい部分(親水基)があります。
油に溶けやすい部分が汚れ(油っぽいもの)にくっつきます。
水に溶けやすい部分は、水の方に引っ張られていくので、くっついた汚れも一緒に水側に剥されてくるのです。
水と油は本来混ざり合わないものです。
でも、石けんのように水と油、両方にくっつく部分を持ち、混ぜ合わせて汚れを落とす能力があるものを界面活性剤といいます。
薬用石けんは、何が違うか?
石けんは、油・水・苛性ソーダでできています。
ここに、殺菌成分などを足すと「医薬部外品」となり、「薬用」石けんという表示になります。
肌の殺菌を目的に作ってあるから、「薬用」なんですね。
普通の石けんは、汚れを落とす洗浄剤の一つということです。
細かく言えば、まず、石けんは「身体用」「身体以外用」「工業用」の3つに分けられます。
「身体用」石けんの中でも「薬用」「化粧用」「浴用」「洗顔用」など、いろいろ分かれているわけです。
「身体用」石けんは「薬用」「デオドラント用」が医薬部外品。
それ以外は化粧品に分類されます。
つまり、薬用石けんは殺菌を目的とした成分が入っている「医薬部外品」。
それ以外の身体用石けんは、保湿とか美容成分などが入っている「化粧品」。
どっちが肌にいいのか?
薬用石けんは、殺菌目的ですから、どちらかと言えば刺激的な成分が入っていると考えられます。
ですので、手洗いには薬用でもいいですが、顔や体を洗うのには向いていないでしょうね。
とはいえ、こんなニュースもあります。
2016年11月3日の産経ニュースからです。
手洗い用せっけんの多くを占める「殺菌」などをうたった薬用せっけん(米国では抗菌せっけん)。厚生労働省は9月下旬、一部の成分について、別の成分に切り替えるよう製造販売業者に要請した。米国でこれらの成分を含む抗菌せっけんが販売停止となったのを受けた措置だ。
(出典:http://www.sankei.com/life/news/161028/lif1610280044-n1.html)
何かというと、殺菌効果があると思っていた成分が、効果ないってことが分かったので、「薬用」って言ってんのに効果なしじゃ表示違反だからやめてね!ってことだそうです。
別に安全性に問題があって、アメリカで販売停止になったわけでも、日本で成分変えたわけでもありません。
仮に買い置きしている石けんを使っても、なんら害はないようです。
殺菌効果は普通の石けんと薬用石けんで大きな違いは無いということが分かっています。
なぜかというと、殺菌成分がない普通の石けんでも、表皮の汚れと一緒に菌がある程度落ちるからです。
パーセンテージにすれば、95%の菌は普通の石けんで落ちると言われています。
ですので、1日3回程度の手洗いでは、薬用と普通の石けんに大きな効果は見られないそうです。
一方、1日5回も手洗いする場合だと、多少の差が出るそうです。
つまり、薬用石けんの効果を期待するならCMのように、帰ってきたら手洗い。食事の前にも手洗い。料理の前にも手洗い。
という具合に、習慣づけないと意味ないよってことですね。
肌が弱い方なら、むしろ薬用でない方が刺激がなく、良いかもしれません。
薬用石けんを使うよりも、きちんと手洗いするということの方が重要ですね。