TBSドラマ「下町ロケット」。
5話目まではロケットエンジンを巡る話。
6話目からは、ガウディ計画編ですね。
ガウディ計画は、医療が物語の中心になります。
これは、モデルとなったある事件が思い当たる人もいるのでは?
※けっこうなネタバレしてます。閲覧は自己責任でお願いします。
「下町ロケット2」あらすじ
その部品があるから救われる命がある。
ロケットから人体へ――。佃製作所の新たな挑戦!
ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。
大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、
ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。
そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。
「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。
しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。
苦悩の末に佃が出した決断は・・・・・・。
医療界に蔓延る様々な問題点や、
地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、
佃製作所の新たな挑戦が始まった。
(引用:Amazon.com 「下町ロケット2」あらすじ)
何の部品なのかは言えないが、この設計でこの製品を作って欲しい。
奇妙な依頼が佃製作所に持ち込まれた。
腑に落ちないながらも、ナゾの依頼を受けることになる。
若手技術者の中里に開発を任せるが難航。
一方、帝国重工とのロケットエンジンの件もコンペをすることになってしまう。
相手はNASA出身の椎名直之が率いるサヤマ製作所。
宇宙事業の最前線から来たライバルの登場。
苦しい立場に陥る佃製作所。
更に、事件が佃製作所を襲う。
ナゾの依頼は、他社が開発すると断られてしまう。
そんな時、かつて佃製作所の社員であった真野から人工弁の開発プロジェクト「ガウディ計画」の重要パーツの製作を懇願される。
製作開発自体も難しい上に、医療機器は厚労省の認可をとることが難しい。
開発できたとして、市場にでるまで何年かかるか分からない。
それでも、真野と「ガウディ計画」に人生をかける桜田社長、貴船医師たちの想いに打たれ、開発に乗り出す。
開発リーダーを中里に任せる佃だったが、会社に不満を持った中里は、他社から引きぬかれてしまった。
若手の立花をリーダー、新人で女性技術者の加納をサブリーダーに人工弁の開発に乗り出した。
「白い巨塔」と呼ばれる医療業界の権力の壁、
ライバル会社の謀略、
帝国重工内の権力争い、
様々な力のうねりの中で、佃製作所は、技術力・誠実・プライドで挑戦し続ける。
「下町ロケット2」読んだ感想
何のために、この仕事をしているのか?
それが、どれほど大事なことかが描かれています。
信念を持って働く。
壁が立ちはだかった時、必要なのはやっぱりそれをする理由なんだと思いました。
結果が全て、結果主義。
会社組織にいると、そういう風潮をひしひしと感じますが、
過程が大事って思いました。読んだら。
なぜ、その仕事をするのか?
別に仕事じゃなくてもいいです。
何のために、誰のために、なぜ自分がやらなくてはいけないか。
これがハッキリしてると、大抵の困難は乗り越えられるはずですね。
うんうん。
ドラマ版で個人的に楽しみなのは、椎名社長です。
NASA出身のエリート。
華々しい経歴を携えて会社を継いだ、佃社長とは正反対の人物。
ビジネスを戦略を持って大きくし、スマートな立ち振舞。
一見、いい人そうですが、中身には大きな「悪」を持っている人物。
傲慢さ、と言い換えてもいいですね。
TBSドラマでは、小泉孝太郎さんが演じます。
エリートの表向きは、イメージピッタリですね。
ダークサイド部分をどう演じるか、楽しみです。
そして、神谷弁護士が予想以上のハマり役だった恵俊彰さん。
もう、出番はないのでしょうか?
「ガウディ計画」編では、最後の最後に見せ場がありましたが、
ドラマではカットしないで欲しいな~。
いや、しないと思いますが。
やはり、トドメを刺すのは神谷弁護士の役目だと思うんですよね~。
あんまり言うと、ネタバレしちゃうか(^^;)
「下町ロケット2」モデルは「エバハート事件」?
作中に出てくる人工心臓「コアハート」。
今回のキーデバイスの一つです。
日本で人工心臓の製造をしているのは2社あります。
一つがテルモ「デュラハート」。
もう一つは長野県諏訪市にあるサンメディカル技術研究所「エバハート」。
こちらは承認待ち中だそうです。
下町ロケット2では、人工心臓の治験で事故が起きます。
実は過去に治験でエバハートを埋め込んだ患者が死亡した事故が起きています。
「エバハート事件」。これがモデルになったのではないでしょうか?
といっても、事故の内容はまるで違います。
下町ロケット2の人工心臓の事故は、読むかドラマ見るかしてください。
「エバハート事件」は、体表面積が1・4平方㍍未満の患者は「参加できない」と「除外基準」を規定していたのに、患者の手術前日の体表面積は1・38平方㍍。
カルテに記載する数値を「1・41」と書き換えていたというもの。
裁判では「本来は治験に参加できない患者なのに手術の結果、死亡した」と判断されました。
小説の中で、医療の進歩は犠牲を伴うといった趣旨の言葉が出てきます。
おそらく、多くの人の本音でしょう。
一方、命は尊いものであり、他人が奪っていいものでもない。
倫理観や道徳といった観念と、傲慢な欲望。
合理的に考えれば、少数の犠牲で大勢が救われるなら・・・とまったく思わないわけでもないですもんね。
難しい問題です。考えなくてはいけないことですが。
なお、「下町ロケット2」を読む上で、かなり勉強になるのがこちらの記事。
日本の医療について、考えさせられます・・・。
人の命が懸かっているからって、事故があればメーカー責任っていうのも・・・。
これは、医療だけじゃないですもんね。
全ての製造・生産に関わる人の悩みの種ですよね・・・。
前記事 → 下町ロケットは実話?モデルは三菱、松下電器など?
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