「口唇口蓋裂」治療は大人になるまでかかる!マンガや、あのハリウッド俳優も・・・

女性の口元

「口唇口蓋裂」・・・この病気を知ったのは小学生の時に読んだ漫画、

ブラックジャックの「オオカミ少女」でした。

世界仰天ニュースで、口唇口蓋裂を取り上げられるそうですね。

ブラックジャックみたいに手術で治るのかと思ったら

成人するまで治療が続くらしく、漫画の知識を鵜呑みにしてはいけないなぁと再認識しました。

口唇口蓋裂の基礎知識

人間は胎児の時、鼻や唇、顎などが左右に分かれています。

それが成長と共にくっついて、顔が形成されます。

しかし、何らかの原因で形成が上手くいかず

唇が割れていたり(口唇裂)

口の中の上顎が割れていたり(口蓋裂)

異常な形で産まれてくるのが「口唇口蓋裂」です。

 

口唇裂・顎裂・口蓋裂

出展:http://www.keiseigeka.co.jp/topic/case/121566388591907.html

 

日本では500人に1人がこの先天異常を持って産まれてくると言われ

日本人に多い先天異常だそうです。

 

原因は妊娠初期に胎児に異常な圧力がかかったり、

母体の栄養障害やストレス、薬や病気によるもの、

遺伝や放射線照射などがあげられてます。

が、原因不明が大多数を占めおり、原因不明というのが実情のようです。

 

間違っても、母親のせいと責められません。

はっきり原因が分かることのほうが少ないです。

仮に原因がハッキリしても、その状態になったのは本人の周囲や社会にも責任があります。

 

手術によって治る障害です。

状態にもよりますが、治療は長期に渡ります。

口腔外科、矯正歯科、小児歯科、形成外科、耳鼻咽喉科、小児科、言語治療科、一般歯科、

総合的な治療が必要で、

例えば、ミルクを飲むためや、顎の正常な発育のために補助具装着をしたり

言葉を覚え始める1歳半から2歳くらいの時期に手術が必要になります。

正しい発音をできるように、言語治療も必要です。

産まれてから直ぐに治療が始まり、大人になるまで続くそうです。

それでも、大人になる頃には普通の人の外見とそれほど変わりなく

かなりキレイに治ることが多いそうです。

 

口唇口蓋裂だったハリウッド俳優

では、実際に口唇口蓋裂だった有名人は誰がいるのか?

調べたら、ハリウッド俳優のホアキン・フェニックスさんが出てきました。

 

ホアキン・フェニックス

映画『グラディエーター』(2000年)でラッセル・クロウと対立した悪のローマ皇帝を演じた方です!

 

映画「グラディエーター」

 

陰気な眼差しが特徴的で(※褒めてます)、

ゴールデングローブ賞グラミー賞ヴェネツィア国際映画祭男優賞も受賞した名俳優さんです!

『シックス・センス』のナイト・シャマラン監督作品『ヴィレッジ』では主演を演じてました。

また、映画評論家やファンの署名活動で日本公開にこぎつけた名作『ホテル・ルワンダ』にも出演してます。

最近のでは、ポーランドからの移民女性を描いた映画『エヴァの告白』(2013年)にも出てます。

暗く重苦しい作品で演技に定評のある俳優さんです!

 

ブラックジャック「オオカミ少女」

子供の頃に読んで、衝撃的だった話です。

(以下、ネタバレ)

 

 

紛争中の国、国境を越えようとしたブラックジャックは、反逆者を手術したという理由でブラックジャックは警察に追われ山へ逃げ込み遭難します。

そんな彼を助けたのが麓の村から「オオカミ女」「化け物」と恐れられている少女でした。

彼女の口は大きく裂け、まるで狼のようだったのです。

その外見のせいで村から追われ、山で1人隠れ暮らしていたのでした。

ブラックジャックは、助けてくれたお礼に少女を治療します。

ただし、「麓へは絶対に降りない」という約束付きで。

 

手術を終えた彼女の顔は、とても美しく、絶世の美少女でした。

喜んだ彼女は、最初は約束を守って、動物たちに見せて回っていましたが

やがて、村へ降りてみんなに美しい姿を見せたくなりました。

しかし、紛争中の中、麓では軍隊が山を降りてくる者は亡命者として射殺するように命令されていました。

ブラックジャックは少女に理由を話して、降りるなと言います。

「行きたいの、先生…どうしていけないの?」

「危険だからだ。君に何が起こっても私は知らん」

「いいの。どんな運命になってもいいわ」

「ばかっ!1つしかない命なんだぞ」

「わかったわ、先生は私が麓でボーイフレンドを作るのが嫌なんでしょ

先生は私を独り占めしたいのね」

「ふざけるな。私は君に患者としての興味しかないんだ

分かったか、この国の政治がよくなるまでは絶対に降りるな!」

しかし、少女は我慢できずに山を降りてしまいます。

銃声を背にブラックジャックは山を登っていくのでした。

 

 

漫画「ブラックジャック」は奇形児や先天異常について様々取り上げていて

本人は全く罪がなくても、見た目や障害により苦しんでいる。

その苦しみの理由の大半が差別によるものだと、子供の私に教えてくれました。

差別の原因は、「知らないこと」にあると思います。

少数だから差別されるのではなく、違うから差別されるのではなく、

みんなが知らないから、未知への恐怖心があるから、差別されるのではないでしょうか?

 

最近は生まれる前から障害が分かって、産むのを断念する事例も多いと聞きます。

大切なのは、これらの病気について、みんなが知ること。

もっと先天異常について社会の認知度が広まれば、

周囲の協力も得られると、親御さん達が思えるような社会になっていけば

新しい命が断念されることも減るのではないでしょうか?

 

 

少しでも、障害への認知度が広まって、

お互いに生きやすい社会になるようにしていきたいですね。

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