春の暖かさが増す行楽シーズン、家族で楽しく潮干狩り。
春が旬のアサリをざっくざく取って
お味噌汁に酒蒸しに、ボンゴレパスタも美味しいですね。
しかし、一つ気をつけたいのが「貝毒」。
症状・潜伏期間・対策を確認しておきましょう。
「貝毒」とは?
「貝毒」とは、名前の通り貝が持つ毒で
貝類が海水中の有毒プランクトンを食べ、毒を蓄え
その貝を他の貝が食べ、どんどん毒が蓄積。
人が食べると食中毒を起こします。
毒性をもつプランクトンが発生する、
水温の上がり始める4月頃から5月頃の期間に多いです。
貝毒を持つのは、ほとんどが二枚貝。
アサリやホタテ、牡蠣などです。
症状は毒の種類によって
・麻痺性貝毒
・下痢性貝毒
・神経性貝毒
・記憶喪失性貝毒
・アサリ毒
の5種類が主なものです。
特に日本で多いのが「麻痺性貝毒」「下痢性貝毒」です。
加熱しても毒性が失われることはなく、
治療方法も基本的にはありません。
ほとんどが2~3日程度で回復しますが
重症の場合、死亡するケースもあります。
「貝毒」の症状と潜伏期間
・麻痺性貝毒
潜伏期間:食後30分程度。
症状:口、舌、顔面、手足のしびれ。
軽症の場合24~48時間で回復。
重症の場合、頭痛、嘔吐、運動障害、言語障害、よだれなど。
麻痺による呼吸困難で死亡するケースもある。
毒化する貝:ホタテ、アサリ、真牡蠣、ムラサキガイ、アカザラ、ヒラオウギなど。
・下痢性貝毒
潜伏期間:食後30分~4時間。
症状:激しい下痢、嘔吐、腹痛など。
死亡例は今のところ無し。
毒化する貝:ホタテ、ムラサキイガイ、コマタガイなど。
・神経性貝毒
潜伏期間:食後数時間。
症状:水などを飲んだ時、口の中がヒリヒリする。
徐々に顔、のど、体全体に広がり酔った状態になる。
紅潮、瞳孔散大、運動失調、下痢など。
毒化する貝:牡蠣、タイラギなど。
※日本での報告は確認されていません。
・記憶喪失性貝毒
症状:胃腸、神経、消化器系の食中毒症状。
1987年11~12月、カナダ東岸で
ムラサキガイによる中毒でにより、患者107名中死亡4名、
記憶喪失12名の事例があります。
※日本での報告は確認されていません。
・アサリ毒
潜伏期間:食後24時間~28時間。
症状:悪寒、食欲、不痛、倦怠感、悪心、嘔吐、便秘など。
皮下出血班が必ず見られる。
2~3日後に、口、歯茎、鼻等の粘膜に出血、口臭が特徴。
重傷の場合、神経錯乱を起こし1週間以内に死亡することもあります。
毒化する貝:アサリ、牡蠣、カガミガイなど。
潮干狩りに行く前に確認しておこう!
「貝毒」は、北海道から沖縄まで日本全国で発生します。
お店で販売しているものは検査を受けているので
まず、大丈夫です。
問題は、個人で採取してきて食べる場合ですが
特に潮干狩りシーズンは貝毒が発生しやすく
各地方自治体で検査を行い、
ホームページ等で公表しているところが多いです。
即効性のある治療方法がない貝毒は
食中毒にならないように気をつけて
予防するしかありません。
潮干狩りに出かける際は、
目的地周辺の漁業組合や自治体の出す情報をチェックして
規制が出てないか確かめてから行くほうがいいですね。
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