映画『アンストッパブル』は、二人の男が暴走列車を止めるという話。
実際の列車暴走事故を元にした、至ってシンプルなパニックアクション映画です。
しかし、トニー・スコット監督の作品であり、遺作。
映像演出と脚本はシンプルなストーリー。
それゆえ、映画の中にグングン引き込まれ、いつの間にか見いってしまいます。
映画『アンストッパブル』は実話!
unstoppable(アンストッパブル)
【形容詞】止められない,防止できない
アンストッパブルは、実話を元にした映画作品です。
2001年アメリカのオハイオ州で起きた、CSX8888暴走事故が元になっています。
別名 、クレイジーエイツ事故。
有毒物資を積載した貨物列車が機関士不在のまま、最高時速82kmで約2時間、暴走!
興味深いことに暴走の原因や事故の対応も、映画と実際の事故は、ほぼ同じ。
つまり、現実にあったリアルな恐怖を描いているんですね。
実際の事故原因は、入れ替え中の機関士が前方の切り替えポイントが間違っていることに気づき、超低速走行にしたまま機関車を降りたこと。
ポイントを切り替えてから戻ろうとしたが、機関車が加速して乗り込めず、無人のまま機関車は暴走。
貨物列車の積み荷も、同じく溶融フェノールだったらしいです。
最終的には、追いついた別の機関車を後部に連結して停車させる、という映画と同じとめ方でした。
当時のニュース映像がありました。
『アンストッパブル』とCSX8888暴走事故の密接なつながり
エンドロールで、
「この映画を今は亡きホーリー・ノールトンに捧げる」
というテロップが表示されます。
映画では、時々見られるテロップですね。
映画関係者や、監督、出演者に縁のある方だったりします。
この、ホーリー・ノールトンさんは、実際に起きた暴走事故の関係者でした。
実際の事故では、暴走列車と同じ本線で逆方向から進行中だった別の貨物列車Q96号が一旦待避線に移動。
正面衝突を回避し、その後、CSX8888をバック走行で追いかけて止めるという手段でした。
この時、Q96号の運転手は勤続28年のベテラン機関士、ジェス・ノールトンさん。
長年ジェスとコンビを組んでいる車掌、テリー・フォーソンさんの二人。
テロップの、ホーリー・ノールトンさんは、ジェス・ノールトンさんの奥さんです。
ジェスさんは機関者をバック走行した運転手。
後ろ向き走行ですから、進行方向を見る目が必要になりますね。
目の役割をするため、テリーさんが無線を持って後部車両に立ちました。
下手すれば、命を落としかねない危険な任務。
ジェスさんは携帯電話で奥さんにかけ
「愛しているよ」
と告げ、奥さんの返事を待たずに切ったそうです。
(何それ!映画みたい!!)
またCSX8888に追いついた時も、スピードを落とせば離されるという理由からスピードを維持したまま連結を敢行。
テリーさんは無事だったそうですが、危ないです・・・。
そうして、スピードダウンしたところで、先回りしていたベテラン機関士、ジョン・ホスフェルドがCSX8888に乗り込み、フルスロットルになっいたのを解除。
エンジンを停止。
それに気づいたジェスさんがQ96のブレーキをかけ、CSX8888が停止。
列車が停車したのは、脱線確実と言われていたカーブのわずか、2km前。
もし、間に合わずに脱線していたら・・・
幸い、これだけの事故に関わらず、死者数0名だったそうです。
まさに奇跡!
映画を見て、どれだけ劇的に盛っているかと思ったら、実際の事故にかなり忠実で驚きました。
ホーリー・ノールトンさんは癌で、映画の公開前に亡くなったそうです。
作中のデンゼル・ワシントンが演じる主人公、フランク・バーンズも4年前に妻を癌で亡くしています。
それで、トニー・スコット監督の計らいでエンドロールに
「この映画を今は亡きホーリー・ノールトンに捧げる」
のテロップが追加されたそうです。
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