「ジュラシック・ワールド」を観た人は多くても、「アンドロメダ…」を観たことのある人は少ないんじゃないでしょうか?
この2作品はどちらも原作者が同じ、マイケル・クライトンさん。アメリカのSF小説家です。(脚本家とか、いろいろやってました。)
最大のヒット作は、やはり「ジュラシック・パーク」。シリーズ通して2作目まで執筆しました。
3作目の「ジュラシック・パーク3」は映画独自のストーリーですし、4作目の「ジュラシック・ワールド」は彼の死後に作られているので正確にはマイケル・クライトン原作とは言えませんが、大きな外枠を創りだしたのは彼であることは間違いないです。琥珀に閉じ込められた蚊から恐竜のDNAを採取し蘇らせるという発想は、今でもすごいと思います。彼のアイデアの源泉はどこにあるのか分かりません。
と、「ジュラシック・パーク」シリーズばっかり有名になっていますが、実は1970年代にマイケル・クライトン原作の素晴らしい映画があるので、是非紹介したいです。といっても、観たのは割りと最近ですが。それにしたって素晴らしい!面白かったです!!
「アンドロメダ…」あらすじ
原題:The Andromeda strain
公開年:1971年 アメリカ映画
時間:130分
監督:ロバート・ワイズ
脚本:ネルソン・ギディング
原作:マイケル・クライトン 『アンドロメダ病原体』
出演:アーサー・ヒル(カナダ人俳優、2006年84歳で死去)
ニューメキシコの田舎町に墜落した人工衛星。
人々は次々と死亡し、生き残ったのはたった二人だけ。
赤ん坊とアル中の老人だった。
その分野の専門家たちが集まり、原因究明と対策に尽力する。
未知の細菌が原因と突き止めるも・・・なぜ、二人だけ生き残ったのか?
解析を進めるが・・・。
1970年代と古い作品・低予算映画であったろうに・・・。
ジュラシック・ワールドのような派手なアクションや、CGなんてもちろん無い時代なのに、設定やストーリーが細かく考えられていて詳細でリアル。ドキュメンタリータッチで淡々としながらもスリルがあり、見入ってしまいます。
「アンドロメダ…」感想【ネタバレ注意】
派手なアクションと、キレイで本物と見間違うようなCGはありません。
映像の迫力を売りに、内容や伏線、何が起きているかを親切にセリフで説明して、ストーリーやテーマは単純!壮快アクションムービー好きには、とてもオススメできません。
とにかく設定がスゴい!細部まで細かい!!
未知の宇宙船に対し、アメリカという国はあらゆる可能性を考慮。
最悪の事態を想定し、核自爆装置も用意。
地下研究施設に入る人選も、すべて理由があって決まっていて、オッドマン仮説に基づき、専門外の人が一人入ってますが・・・。
(※オッドマン仮説とは、専門家だけのチームより専門外がいるチームのほうが問題解決が早くなるという考え。科学的に実証はされていません。)
音楽や効果音は少なく、ドキュメンタリーのようにリアルに話が展開していきます。
本当にこういう研究施設があるんじゃないかってくらい、リアルです。
科学者を連れて来る際にいる職員や軍人さん?
ひたすら未知の病気を研究・・・。
生き残った赤ちゃんとアル中老人を、あらゆる角度から調べますが、原因はなかなか分からず進展しません。
宇宙船の墜落した町は核爆弾で焼き払うことにします。
研究が進むに連れ、原因は未知の細菌(宇宙から来た生命体)と分かります。
この生命体は宇宙で生きることのできる生命体で、核爆発のエネルギーでも成長してしまう脅威的な生命体でした。
慌てて、核爆弾で町を焼くのを中止させます。自爆装置も解除しないといけません。
この辺のやりとりもリアルです。
細菌の広がりをシミュレーションするも、細菌兵器のシミュレーターだったり。
リアルです。本当に70年代の映画ですか?
今の映画や漫画など多くの作品に類似のシーンが見られます。影響受けてんでしょうね。二次影響、三次影響と広がっていったんでしょうね、きっと。
そして、遂に研究施設が汚染されます。
バイオハザートのような展開です。
自爆装置の作動、解除するために危険な地域に行かなくてはいけません。
ハラハラします。自爆装置が仇になりました。
ラストの終わり方がいいです。
余韻を残す、いいラストです。近年の映画ではなかなかお目にかかれない終り方です。
こちら側に想像力を託すような・・・・。
「601」という数字は「解析不能」を表すそうです。
キャストはメジャーじゃないし、セットも地味ですが、低予算映画でも質が高いです。
予算がないからこそ、リアルな描き方にこだわったのかもしれません。
マイケル・クライトンのSFは、ジュラシック・パークもそうですが、在り得そうな話というリアルさがあります。
私が専門外の人間だからで、科学者の方が観たらどうなのかは知りませんが、科学的根拠がある気がするんです。そういうリアルさがあります。
だって、マイケル・クライトンさんはハーバード大学で医学博士号取得してますからね。
そりゃあ、リアリティ高いわけですよ。未知の細菌に対し、人類がどうアプローチするのか、そんな想像もできますよね。納得です。
ちなみに、マイケル・クライトンさんは私の大好きな海外ドラマ「ER緊急救命室」の製作総指揮もしています。このドラマのファンなら、「アンドロメダ…」は必見です!
リメイク版に「アンドロメダ・ストレイン」という3時間近い映画もあります。
こっちは、正直イマイチ・・・。3時間は長過ぎます。サスペンス色が強い分、リアルさや新鮮味が少ないです。見せ方の違いですかね。プロットが複雑すぎるのかな?話の主軸がぶれてしまってる気がします。私の理解力不足なのかもしれませんけどね。
「アンドロメダ…」のような古い映画で大作でないマイナーな映画でも、名作はまだまだあるはずなんですよね。そういう作品に出会えるって、すごい偶然なわけですよ。
映画に限ったことではありませんが、そういう出会いをするには、自分とは違う趣味、年代の人と交流するのが効果的で、それが簡単にできるのがネットのいいとこですよね~。
というわけで、何かオススメ映画あったら、色んなとこにぜひ書き込んで広めるべきだと思うんです。例え、どんなにマイナーでも、誰も知らない作品でも!
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