NHK朝の「連続テレビ小説」。通称 “朝ドラ”。
日本人女性の一代記を半年かてて描く、というのがお決まりですよね。
現在放送中の『とと姉ちゃん』で94作目。
長い朝ドラの歴史、女性が主役になる理由はなんなんでしょう?
『マッサン』のように男性主役や、外国人女性ヒロインの作品は過去にあったのでしょうか?
朝ドラ、「女性一代記」となる理由!
よく言われるのは、視聴者層が女性だからというもの。
朝ドラの原点、第一作目は『娘と私』。
昭和33年にラジオドラマ化された作品をテレビ化。
フランス人との先妻の間に生まれた娘の成長を見守る主人公“私”(北沢 彪・写真右)の自叙伝。
一作目は、男性が主人公のホームドラマだったんですね!
朝ドラは、もともと朝にラジオで小説が朗読されていた「連続ラジオ小説」の枠が、テレビ放送開始にともない建て替えられたもの。
名前も「朝の連続テレビ小説」となっていて、どの作品にも語り手がいます。
必ず女性が主役と言う決まりがあるわけでなく、視聴者層に主婦が多いから、共感できるテーマを選ぶと女性主役となりやすいようです。
比較すると、初期の頃は男性主役と女性主役が交互だったことが分かります。
時代と共に、視聴者と求めるもので変わってきたのですね。
【男性主役の過去作品】
『娘と私』(第1作)
『あかつき』(第3作)
『たまゆら』(第5作)
『旅路』(第7作)
『ロマンス』(第32作)
『心はいつもラムネ色』(第33作)
『いちばん太鼓』(第35作)
『凛凛と』(第44作)
『走らんか!』(第53作)
『マッサン』(第91作)
朝ドラのルール!
朝ドラには、いくつかのルールがあります。
制作はNHK東京が前期、NHK大阪が後期
NHK東京:4月~9月
NHK大阪:10月~3月
(※月曜日が初回放送日のため、翌月にずれることもあります。)
第1作目から第14作目までは、1年に1作品が制作・放映されていました。
第15作目からは、原則半年に1作品の交互制作。
例外として、『おしん』『君の名は』『春よ、来い』の3作品は1年間放映されています。
作品は原則フィクション
オリジナル脚本や、小説など原作があるものは当然ですが、実在の人物をモデルにした作品も多いです。
実在の人物がモデルの場合、作品内では名前を変更したり、自由に脚色・創作エピソードが加えられています。
また、エンディング画面に「このドラマはフィクションです」との断り書きが表示されることもありました。
時代設定のルール
特にありません。
傾向として一時は現代と古い時代を交互に、という時期もありました。
全体を通しては現代が多いです。
一番古いのは江戸時代から始まる『あさが来た』ですね。
主役の選出
主演は基本的にオーディションで選ばれます。
『梅ちゃん先生』の堀北真希さんのように、すでに知名度がある方が選ばれるのは稀。
基本的にはブレイク前の若手女優が選ばれます。
まだ発展途上の未熟な女優の方が、女性視聴者に受け入れられやすいんでしょうね。
よく、朝ドラヒロインとなった女優は成功すると言われています。
朝ドラヒロインは、真っすぐ健気に頑張る女性の奮闘記。
役のイメージが良く、テレビ露出も増えるので好感度も高くなります。
さらに、放送6カ月・撮影8カ月の長丁場。
朝ドラは、1日15分×週6回=90分、半年間全156話で約39時間あります。
新人の場合、演技の基礎レッスンもあります。
方言や時代背景に合わせた所作も指導され、女優として多大な経験値を得ることに。
一人の半生を描くことから、出演する人物も多数。
共演者には、演劇界の先輩方が揃ってます。
その中で一番未熟であろう人物が主役を務めるのです。
嫌でも成長せざるを得ません。
ロケ地
ロケ地に選ばれれば、観光客誘致に多大に影響。
経済効果が大きいです。
朝ドラ誘致を狙う地方公共団体もあります。
だいたい、NHK東京が制作の場合、東日本が中心に。
NHK大阪が制作の場合、西日本が選ばれることが多いようです。
海外舞台でも、『マッサン』ではスコットランドを北海道で撮影してました。
近年はヒロインの出生地と、東京など、一作品中で複数の場所がメインとなることが多いようです。
「ん」の法則
タイトルに「ん」が含まれる作品は「運」が付き、高視聴率になるというジンクスがあります。
2000年に入ってからだと、以下の作品ですね。( )内は平均視聴率です。
『マッサン』(21.1%)
『花子とアン』(22.6%)
『ごちそうさん』(22.4%)
『あまちゃん』(20.6%)
『梅ちゃん先生』(20.7%)
『カーネーション』(19.1%)
『てっぱん』(17.2%)
『だんだん』(16.8%)
『ちりとてちん』(17.1%)
『どんど晴れ』(14.9%)
『芋たこなんきん』(20.3%)
『天花』(18.6%)
『まんてん』(20.3%)
『ほんまもん』(23.1%)
『ちゅらさん』(21.3%)
なんと15作品中、9作品が平均視聴率20%超え。
ジンクス、効果あり?
2000年より前は、朝ドラ平均視聴率20%超えは当たり前。
30%、40%超えがバンバンあった時代ですからね~。
ネットの普及でコンテンツが増えたこともあり、視聴率低迷は仕方ないかもしれません。
むしろ、テレビ番組で未だ視聴率が重視されるのって、どうなんでしょう?
視聴率=面白いドラマ の図式は、もはや成り立たないと思うのですが(^^;)
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