「アルジャーノンに花束を」原作のあらすじと、映画の感想!

ダニエル・キイス原作「アルジャーノンに花束を」。

過去にもドラマ化・映画化・舞台化をされてきた名作中の名作!

特に、直近で2006年にフランスで映画化された作品が、原作を改変してはいますが、面白かったので、おススメです!

 

 

「アルジャーノンに花束を」原作のあらすじ

 

有名すぎて名前は知っているものの、読んだことない方へ。

以下、ラストまでのネタバレが含まれます。ご注意ください。

 

 

 

チャーリイは、脳に障がいがあり、32歳だけど、IQは65と幼児なみの知能しかなかった。

純粋で優しいチャーリイは、人を疑うことも知らず、周囲の人からバカにされてるのもわかっていなかった。

 

チャーリイは過去、自分の妹に性的いたずらをしたと誤解され、親から捨てられた。

今は叔父のパン屋で働きながら、知的障がい者の青年学習クラスに通っている。

 

ある日、そのクラスの教授から、開発されたばかりの脳手術をすすめられる。

まだ動物実験に成功した段階で、手術を受けたハツカネズミの「アルジャーノン」は、驚異的な思考力を身につけ、迷路を難なくクリアしてしまった。

チャーリイはアルジャーノンに迷路対決で負けてしまう。

「頭が良くなりたい。」

強く願っていたチャーリイは、その手術を受け、人間の被験者第1号となったのだった。

 

手術は無事成功。

チャーリイのIQは、68から日を追うごとにどんどん上昇。

終には、IQ185天才的知能を手に入れた。

チャーリイは大学に通い勉強し、知識を得る喜び、考える楽しみを知った。

 

しかし、知能が向上したことで気づいてしまう。

友達だと思っていた仕事仲間には、だまされ、いじめられていた事。

母に捨てられた事。

 

さらに知能は天才的に向上しても、チャーリイの精神は子供のままだった。

周囲とコミュニケーションを上手くとれず、他人をバカにして、孤立していくことになる。

 

バカだった頃には無かった孤独感におそわれ、苦悩するチャーリイ。

そんな時、アルジャーノンの異変に気づく。

突如、凶暴化し、暴れ出したのだった。

チャーリイは、アルジャーノンの異変について調査を始め、手術には2つの大きな欠陥がある事を突き止める。

 

1つは、急速に知能を発達させるものの、精神がそれに追いつかず社会性を失ってしまうということ。

 

そして、もう1つ。

ピークに達した知能はやがて失われ、手術前以下の知能となってしまうということ・・・。

 

チャーリイは失われ行く知能の中で、何とか対策を探すが見つける事ができなかった。

 

最終的にチャーリイは、もうパン屋で働くこともできないと悟り、自ら障がい者の収容施設に入ることにする。

 

チャーリイがつけていた経過報告日誌。

最後のページには、これを読むであろう、大学の先生に向けたメッセージが記されていた。

 

「ついしん

うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやてください」

 

 

この小説は始め、主人公のチャーリィの「けえかほおこく」という形で知的障害を表現しておりほとんど平仮名。

とっても、読みづらいです。

 

でも、それは最初のほんの少しの間。

読み進めた先には、感動と切なさがで胸がいっぱいになりました。

小説という文章表現の魅力を最大限に引き出した素晴らしい作品です。

原作も読むことを、強く強く強くおススメします!

 

おススメ映画!「アルジャーノンに花束を」2006年・仏

出典:http://kyouno.com/turezure/20130518_aljanon-movie.htm

出典:http://kyouno.com/turezure/20130518_aljanon-movie.htm

名作小説ですが、原作が書かれたのは1959年

中編小説として発表後、1966年に長編小説として改作されました。

古い作品なんですね。

それを2006年に映画化したんですから、原作通りではありません。

 

フランスというお国柄も反映されています。

それでも、原作の持つ切なさと皮肉さを残しつつ、映像作品としての魅力とうまく合わさっています。

95分というコンパクトにまとめられたストーリーも秀逸だと思います。

 

あらすじは、映画の評から引用いたします。

 知的障害ゆえに母親から疎んじられ、施設に預けられ育ったシャルル。

学校の清掃夫として働いていた彼に、ある日、チャンスが訪れる。

知能を飛躍的に向上させる新薬が開発され、すでにネズミを使った実験に成功、

続く人体実験の最初の候補に、シャルルが選ばれたのだった。

投薬後、驚くべき速度で高い知能を獲得したシャルルは、

中国語をはじめとするさまざまな言語を習得し、

数学、生物学の論文を提出、音楽にも才能を示す。

ところが、新薬による知能向上は一時的なものでしかなかった……。

 

SFファンタジーの名作として知られるダニエル・キイスの小説を、

舞台をスイスのジュネーヴに移して映像化。

知的障害をもつ主人公が、薬のおかげで天才となるも、

急激な環境変化にともなう孤独と母親に捨てられた過去が彼の心を苛む。

音楽教師アリスとの愛も慰めにはならず、

迫り来る悲劇の予感がせつなく刻まれてゆく……。

 

主人公のシャルルを演じるジュリアン・ボワスリエ

(『メトロで恋して』)の好演、

そしてシャルルと恋に落ち、彼を支える音楽教師のアリスを演じる

エレーヌ・ド・フジュロル(『花咲ける騎士道』)の可憐で真摯な存在感。

原作より以上の感動が心に迫る──。

 

原作との違いは、

主人公・チャーリイ → シャルル(名前が違う。)

チャーリイの職業・パン屋 → 学校の清掃員

恋の相手・知的障害者センターの教師アリス → ピアノ教室の先生アリス

 

当然、描き方も違うのですが、個人的に大きく違うと感じた点が1つ。

 

原作は、SF小説です。

実験により知的障害者が天才になり、また知能が下がってしまった落差に苦しむ人間。

知能を得たチャーリイが不幸になり、元の知能に戻った時に欲したのが知能という皮肉めいた話だなーと思いました。

 

一方で、フランス映画では、天才に変わってしまったシャルルと、一般人アリスとのに軸が傾いている印象でした。

愛とか情とかですね。

原作ではアリスはチャーリィほどでなくても、頭の良い大学教師ですからね。

あくまでも知能変化による人間の悲劇みたいなイメージ。

 

フランス映画っぽいといえば、そうなんですけどね。

よく分からない感というか、人間同士の愛ゆえの意味わかんない、意味なんてない愛だよ、愛みたいなやりとりとか。

雰囲気重視という感じ。

 

それでも、面白い!と思いました。

特にフランス映画は好きではないんですけど。

ちょっと暗い感じの、バッドエンドだけど救いもあるみたいな映画です。

恋愛映画が好きなら観るべきですね(笑)

 

もっとおススメの映画

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