2016年の24時間テレビドラマスペシャルのモデルとなっている、新井淑則先生。
先生は生まれつき目が見えないのではなく、34歳の時に網膜剥離によって全盲となりました。
リハビリを経て、36歳の時に特別支援学校で教職へ復帰。
46歳で普通中学へ復職、52歳でクラス担任を持つことに。
全国初の、全盲の中学校クラス担任の先生となりました。
そんな先生がインタビューの中で、日本のノーマライゼーションへの危機感を語っていたのが印象的だったので、ご紹介します。
(トップ画像:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000380.000003670.html)
新井淑則先生の経歴
1961年生まれの、埼玉県出身。
現在は、埼玉県長瀞町立長瀞中学校で国語を教えています。
新井先生は、もともとは普通に両目が見える健常者でした。
大学卒業をして、東秩父中学校の国語教師として赴任。
翌年、秩父第一中学校に異動し、音楽教師と結婚します。
クラス担任、サッカー部顧問も務めていました。
28歳の時、突然、網膜剥離を発症。
もともと強度の近視だった新井先生。
ある日突然、目の前に虫がたくさん飛ぶのが見えました。(飛蚊症)
翌日には、右目の上部が暗幕が降りたように真っ暗になり、視界が1/3ほどの状態に。
治療のため入院と手術を繰り返すも、右目は失明してしまいます。
それでも、まだ片目で車の運転もできていた新井先生。
特別支援学校に異動となり、教職は続けられていました。
しかし、異動してから3年後に左目も網膜剥離を発症。
34歳で、両目を失明し、真っ暗闇の世界となってしまいます。
当時まだ3人目のお子さんが生まれたばかり。
奥さんは子育てをしながらも、新井先生を支え、リハビリのきっかけを与えてくれたそうです。
新井先生は、インタビューの中で「妻には感謝しても感謝しきれないですよね。」とおっしゃっていました。
リハビリ中、高校で物理を教えている中途視覚障害の先生に出会い、教師への復職を決意。
36歳で特別支援学校に復職を果たします。
(教師として復職する場合は、原則として、休職していた現任校への復職となります。)
しかし、教師として働く中でいろいろと不備を感じます。
特に、教師と生徒が障がい者同士であることで、指導が難しいと。
どちらかが健常者である方が、良いのではないかという考えにいたりました。
それで、普通中学校への異動を願い出ます。
全盲教師の普通中学校への復帰は、厳しいものでした。
それでも様々な支援者のサポートを受け、教育委員会と10年に渡り交渉を続けます。
最終的にダメもとで訴えたら、ある県議会議員の方により、復職への道が開けました。
新井先生の受け入れに、真っ先に手を上げたのが長瀞中学校。
当時の町長であった大澤町長が、以前に新井先生の講演を聞いていたのでした。
46歳で長瀞中学校に赴任。
盲導犬と一緒に教壇に立つ国語教師となります。
52歳で、全盲で初の中学校クラス担任に。
本も出されています。
『光を失って心が見えた 全盲先生のメッセージ (ノンフィクション知られざる世界)』
新井先生のインタビュー記事はこちらを参照。
インタビューの中で印象的だった、ノーマライゼーションの考え
ノーマライゼーションとは、
違いを吸収して全体を均一化すること。
を意味します。
北欧から始まった社会福祉理念の一つで、
障害者も健常者と同様の生活が出来る様に支援するべき、という考え方。
そこから発展して、障害者・健常者とは特別に区別されることなく、社会生活を送れるのが正常であり、望ましい社会であるという考え方です。
私もそうですが、人類の大多数が健常者ですよね。
となると、やっぱり、障がい者=普通ではない。と思っている人が多いと思います。
だからこそ、24時間テレビで障がい者をダシにして感動を呼ぼうなんてバッシングを受けるわけですよ。
障がい者=普通じゃない人、だから。
でも、新井先生のインタビューを読んで怖くなりました。
新井先生は、もともと健常者です。
別にボクシングで顔面パンチくらったわけでもないし、事故とかにあったわけでもないです。
フツーに教師をしていたのに、突然、片目が見えなくなったんですよ。
正に青天の霹靂だったでしょう。
新井先生の例でなくても、私たちは事故にあったり、病気になったりして、障がい者になる可能性が生きている限りあります。
自分が障がい者になった時、社会が受け入れてくれなかったら・・・。
考えるだけで、ぞっとします。
新井先生は、自分のことなんかいちいちニュースにならない世の中になるといいと、言っていました。
今は昔と違い、リハビリや、盲導犬だったり、車いすだったり、義手、義足とかなり充実し、障がい者であっても生きていける時代です。
このまま技術が進化すれば、「銀河鉄道999」じゃないけど、機械の身体がカッコいいという時代がくるかもしれません。
障がいに限らず、LGBTの問題だったり、マタニティハラスメントの問題だったり、差異を受け入れる寛容な社会の方が、万一自分の身に起きた時、生きやすいと思うんです。
だからこそ、今、健常者の立場にいる私たちが意識を変えておかなくちゃいけないなぁと。
それが、いざいという時に自分の身を助ける方法でもあるんだと思います。
で、寛容であるためには、心に余裕があることが大事なんでしょうね、きっと。
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