ウルグアイという小さな国は世界で初めて、大麻を合法化した国です。
大麻合法化?それって危ないんじゃ・・・。
そう、思いますよね。
この大麻合法化を実行したのは、「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれている、ホセ・ムヒカ大統領。
ノーベル平和賞候補とも言われている、ムヒカ大統領について調べてみました。
(トップ画像:https://www.youtube.com/watch?v=1B0QGOtSfMc)
ウルグアイのムヒカ大統領とは?
ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ氏は、ブラジルのすぐ下の国、ウルグアイの大統領です。
愛称は、エル・ペペ。
2010年から大統領を務め、2015年で任期を迎えます。
ウルグアイの法律では、同一人物の連続再選は禁止されているため、まもなく退任されます。
ムヒカ大統領は、1935年生まれで今年80歳。
幼少時は貧困な家庭で育ち、家畜の世話や花売りなどをして暮らしていました。
20代だった1960年代に、都市ゲリラ組織「ツパマロス」に加入。
1972年に逮捕され、軍事政権が終わるまでおよそ13年間収監されていました。
2009年にウルグアイ大統領選に当選し、2010年3月から、第40代大統領を5年間務められました。
「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれる理由
ムヒカ大統領は、大統領でありながらも生活は慎ましやか。
大統領公邸には住んでません。
首都郊外の農場で奥様と暮らしています。
資産の80%を寄付し、個人資産は古い自動車1台くらい。
月収は約97万円ほどありますが、ほとんどを寄付し、生活費は月10万円程度。
ウルグアイの平均月収が6万円程度なので、ちょっと多いくらいです。
大統領としていろいろ交流費がかかることを考えれば(服装とか、ちゃんとしないといけないでしょうし。)決して贅沢しているとは言えない額ですね。
大統領専用機は持ってません。
国際会議などに行かれる際は、エコノミークラスで行く。
もしくは、他の大統領の飛行機に乗せてもらうそうです。
なんか、可愛いですね。
大統領なのに、自分で車を運転し、ヒッチハイカーを拾ったこともあります。
乗せてもらったヒッチハイカーは、車に乗っていた女性が自国の上院議員、ルシア・トポランスキーさんでビックリ!
運転していたのは、彼女の夫のムヒカ大統領で、大変驚いたそうです。
確かに、ヒッチハイクで乗せてくれたのが安部総理の車だったら・・・
乗れないですね(^^;)
ちなみに、ムヒカ大統領の車は、1987年型フォルクスワーゲン・ビートル。
100万ドル(約1億1600万円)で、アラブの富豪から売って欲しいと打診されていたそうです。
しかし、車は友人たちからの贈り物で
「売れば友人たちを傷つけることになる」
「私が生きている限り(車は)車庫で眠り、時々散歩に出かけることになる」
と地元ラジオで述べたそうです。
思いやりも兼ね備えた人格者です。
ムヒカ大統領にとって「大統領」という職は、国のトップというだけではないのです。
ご自分が貧困家庭で育ち、左翼ゲリラとして戦い、政治家、大統領になっても初心を貫ぬく。
圧倒的に支持されている理由も、納得しかありません。
ムヒカ大統領曰く、
「大統領とは、機能を果たすために選出された、高位の当局者です。
大統領は王様でもなければ、神でもありません。
何でも知っている、部族の呪術医でもないですし、公務員でもありません。」
また、ご自身が「世界一貧しい大統領」と呼ばれることに対して
「自分では貧乏とは思っていない。
本当に「貧しい人」は、
ぜい沢な暮らしを保つためだけに、働く人だ。」
本当に、いつまでも大統領でいて欲しい方です。
大麻合法化がノーベル平和賞候補の理由
ウルグアイという小さな国の大統領が世界中で有名になったのは、慎ましい暮らしをしているからだけではありません。
ムヒカ大統領の名前が世界で一躍有名になったものの一つに
『大麻合法化』があります。
ウルグアイは世界で初めて『大麻合法化』した国なのです。
それを実行したのが、ムヒカ大統領です。
大麻合法化と聞くと私のような素人は、麻薬中毒者が増えて危ないんじゃと思ってしまいます。
ウルグアイが大麻合法化したのは
大麻の密売をなくせば、麻薬組織の資金源が絶たれ、犯罪が減る
という考えからです。
また、麻薬の乱用による若者の犯罪を防止できると主張しています。
購入できる量や栽培量を制限し、適正量と適正な栽培によって中毒性の高い麻薬の流通を阻止が目的です。
同時に、税収も確保できて一石二鳥です。
また、大麻の健康面の影響は、酒やタバコよりも低いという見方も近年、国際社会で議論されています。
禁止するよりも、中毒性の低いものを流通させて、ある程度の満足を与えてしまおうという・・・
禁酒法みたいですね。
とはいえ、より中毒性の高い麻薬への入り口になるのではという懸念もあります。
今後、ウルグアイが平和になるかどうかで、世界の大麻事情は大きく変わるってことですね。
もう一つ、ムヒカ大統領を有名にしたのが、世界中を感動させた「スピーチ」です。
2012年、ブラジル・リオで行われた環境についての国際会議で、ウルグアイという小国のスピーチは最後の方でした。
期待して耳を傾ける人は、ほとんどいなかったでしょう。
しかし、ムヒカ大統領のスピーチは現代社会に警鐘を鳴らし、絶賛されました。
一部引用してご紹介します。
「質問をさせてください。
ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。」
「なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?」
「我々の前に立つ巨大な危機問題は、環境危機ではありません。
政治的な危機問題なのです。」
「根本的な問題は、私たちが実行した社会モデルなのです。
そして、改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。」
「これが人類の運命なのか?
私の言っていることは、とてもシンプルなものですよ。
発展は幸福を阻害するものであってはいけないのです。
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません」
このような偉大な方が、また一人、国際社会の前線から退任されることが惜しまれますね。
多くの人に、ムヒカ大統領のことを知ってほしいと思います。
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