「ライオン・キング」VS「平成狸合戦ぽんぽこ」!動物主役でも決定的に違う!

   

映画

奇しくも同じ1994年に、2つの動物主体の名作アニメ映画が上映されました。

アメリカ・ディズニー「ライオン・キング」と、

日本・ジブリ「平成狸合戦ぽんぽこ」です。

どちらの作品も、まるで人間のように感情豊かな動物たちが織りなす、感動のストーリー。

しかし、両作品は決して相容れない異なった性質も持っています。

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ライオン・キングがアメリカで大ヒットした理由

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ライオン・キングがアメリカで公開されたのは、1994年6月24日

日本公開は、同年7月23日でした。

興行収入、9億8千万ドル。

歴代アニメ映画史上第3位(2015年現在)の記録を持つ世界的大ヒット作品です。

 

しかしながら、日本での配給収入は20億円。

同じ時期の1994年7月16日に公開された「平成狸合戦ぽんぽこ」は26億円とジブリ側に軍配があがりました。

当時「ライオン・キング」で日本に上った話題といえば、「ジャングル大帝」に似ているというもの。

本国・アメリカほどのヒット映画にはならなかったのです。

 

実際に私もアニメ映画の「ライオン・キング」を知ったのは、劇団四季の「ライオン・キング」が公開されてからでした。

多分、日本で「ライオン・キング」の知名度と人気を大きく押し上げたのは、劇団四季作品に因るところが大きいと思います。

(「ライオン・キング」はミュージカルなんて無理だと言われていましたが、音楽・ダンス・衣装・演出と最高のショーに昇華され、名作舞台として驚異的ロングランヒットを続けています。ダンスやパフォーマンスも変わっていき、何度観ても驚き感動させてくれます!是非、一度観て欲しい作品です。)

 

アメリカで「ライオン・キング」がヒットした理由は、アメリカの家族構成にとって受け入れやすい内容だったからでした。

多民族国家のアメリカにおいて、厳しいサバンナで生き抜く子ライオン・シンバの姿が我が子に重なるのでしょう。

父親たちは、父であり王であったムファサに感情移入して観れます。

厳しい社会を生き抜き、父の後を息子が継ぐという王道ストーリーです。

親と子、両方に受けるテーマであったためにヒットしたんでしょうね。

日本社会の場合、雑多な生態系よりは同族の仲間の信頼を得て成り上がるストーリーのほうが王道なんだと思います。

 

「平成狸合戦ぽんぽこ」で高畑監督が目指したもの

同時期に、同じ動物主体のアニメ映画ということで高畑監督が「ライオン・キング」について聞かれたインタビューで非常に面白く、厳しい意見を言っていました。

ライオンが百獣の王(統治者)であるということが前提となっている本作の作りについて「理解しがたい」、

「『ライオン・キング』に優れた面があったとしても、生態系を無視したこの前提にはおそらく共感することはないでしょう」と話し、

同時に「その点わたしたちは、タヌキの生態と民間伝承の両方をきちんと踏まえて『平成狸合戦ぽんぽこ』を作ったつもりです」と付け加えている。

引用:http://www.kyoto-up.org/archives/1980

なるほど。

「平成狸合戦ぽんぽこ」はリアルなタヌキの姿と、正吉などのコミカルなキャラクターとしての姿、モブのようなタヌキの姿と3種類の描き分けがされています。

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タヌキの生態はリアルなタヌキの姿で描かれ、内容も現実のタヌキ達が置かれている状況、住処を追われるといったものですしね。

タヌキが化けるというのは、日本古来の民間伝承です。タヌキとキツネが化けて人を騙す話は、日本人なら誰もが知っていることでしょう。

そういう点で、「平成狸合戦ぽんぽこ」は非常にリアルなんですね。ドキュメンタリー作品と言うのも分かります。

 

一方、「ライオン・キング」はライオン(シンバ)とミーアキャット(ティモン)とイボイノシシ(プンヴァ)が友達で、シンバが虫を糧に生きています。あり得ないですね。

ライオン(スカー)がハイエナを部下にしているのも、現実ではあり得ないことですよね。完全なるファンタジー作品なんですね。

 

同じ動物アニメでありながらも、描くテーマと目指すもので、まったく違う作品となるものですね。

一見すると、どちらもファンタジックなんですが、

一方は生態系と現実のリアルさを描き、

一方はリアルな動きを追求した。

面白いですね。子供の頃はそんなこと考えずに観てました。

 

どっちが優れた作品か、ということは言えません。

好き嫌いは、受け取る側の自由ですからね。

どちらも、違う魅力がありますし。2作品があるから違いが見えてくるってものですからね。

 

それでも、当時の日本でより高い評価を受けたのは「平成狸合戦ぽんぽこ」だったんでしょう。

映画の評価は、発表された社会背景もありますしね。

開発による環境破壊に、社会が危機感を感じ始めていたのでしょう。

 

ジブリの作品は、多くの社会テーマを含んでいる作品が多いです。

子供だけでなく、大人に人気が高いのも、それが理由の一つでしょう。

いつまでも金曜ロードショーなどで放映されて人気なのは、含まれた社会テーマがまだ解決してないものってことなんでしょうね。

いつか解決したら、放映されなくなるんでしょうか?それも寂しい気がしますが・・・。

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