ニオス湖、村人1800人が窒息死!?「湖水爆発」は日本でも起きうる?

   

倒れている家畜たち

たった一夜にして、家畜も人も、村一つがまるまる静かに窒息死する・・・。

大自然の脅威は、そんなホラー映画のような現象を引き起こします。

Limnic eruption、日本語で「湖水爆発」と呼ばれる現象。

この災害のメカニズムを突き止めたのが、日本の研究者だというのはスゴいことです。さすが、災害大国です。

スポンサーリンク

恐ろしい・・・「湖水爆発」のメカニズム

火山の火口にできた湖で、湖底に溜まった大量の二酸化炭素が突如噴出される現象「湖水爆発」です。

湖周辺の火山活動により地下のマグマ溜まりから炭酸ガスが発生。

それが水に溶け込み湖底から湧き出します。

湖水の下層二酸化炭素濃度が非常に高くなります。(炭酸水のほうが比重が重いため下に溜まる。)

なにかのきっかけで、突然水に溶けていた二酸化炭素がガス化して湖上に噴出。

(炭酸入りのジュースを振った状態が湖規模で起きたと思うと、凄まじい・・・)

湖周辺は一気に二酸化炭素が高まり、人や家畜が死亡したり、健康被害が出ます。

 

ニオス湖(出展:http://www.jica.go.jp/oda/project/1000710/field.html)

写真はニオス湖の湖水爆発後。鉄分が酸化し赤く見えるんだそうです。

 

過去の「湖水爆発」被害と爪あと・・・

1984年にアフリカ大陸、カメルーンにあるヌマーン湖周辺住民37人が死亡

この時点で、まだ発生のメカニズムも分からず、近くのニオス湖で起きるという予見はありませんでした。

仮に起きても、限定的で、まさかあんな大惨事になるとは・・・。

 

1986年に同国、ニオス湖でも発生。

夜9時という時間、電気もテレビもない住人達はほとんどが寝静まっていたのでしょう。

1746名が死亡死傷者4000名以上避難退去者20000名以上

救助活動を行ったある神父は、こうつぶやいたそうです。

「村人の一部はベッドの中で眠るように亡くなっており、多くの人は家の外や道路で横たわるようにして死んでいた。まるで生物だけを殺傷する中性子爆弾でも落とされたようだった」

湖周辺は危険地帯として居住が禁止され、住民達は今も戻れていません。

恐ろしいことです・・・。

 

また。紛争映画にもなったアフリカ大陸・ルワンダのキプ湖でも火山活動が活発で、湖水の炭酸ガスの濃度が高く危険視されています。

キプ湖は、カメルーンの2つの湖より圧倒的に大きく、もし湖水爆発が起きれば200万人の周辺住人に被害が及ぶと考えられています。(BBC報道より)

 

防災対策と日本

カメルーンの湖水爆発に対し、いち早く研究を進めたのが日本でした。

富山大学の日下部実客員教授(当時は岡山大学地球内部研究センター教授)は、1986年のニオス湖での災害直後に現地に入り、災害の原因究明に着手

日下部教授と日本の研究者が、カメルーンを行き来しながら研究を続け、1993年に湖水爆発の原因を突き止めました。(ソース:JICA(国際協力機構)

 

ただ、まだ二酸化炭素が流れこむ明確な経路や、爆発のきっかけなど不明な点もあり、今も研究が続いています。

現在もカメルーンの2湖は絶えず二酸化炭素が湖に供給されているそうです。

ニオス湖ではパイプによる湖水から二酸化炭素の除去作業が行われています。

これが日本のODA(政府開発援助)で行われているそうですよ。

二度と悲劇が起きないことを祈ります。

 

一方、ルワンダのキプ湖はかなりアグレッシブな方法を取っています。

下層の湖水に溶けているメタンガスを使って発電をしているそうです!

2,000万ドルをかけて発電所を建設。

すでに3.6MWの発電をしていて、数年以内に50MWまで発電量を増やす予定。

ルワンダ政府は、アメリカの企業とメタンから100MWの発電をするべく契約を結んだそうです。

スゴいですね。

ルワンダは電力不足でもあり、住民の安全と電力の両方が得られるこの政策は合理的だと思えます。

安全面や環境アセスメントに疑問の声もあるそうですが、大きな反対もなく進んでいる模様。

事故なく、住民の住環境も良くなるのなら言うこと無しかと思います。

 

日本では発生しない?

富士山

日本は火山大国で、温泉も湖も多い。

最近は活動が活発な火山のニュースが頻繁だし・・・、心配になりますね。

 

日本では、季節による気温の変化が大きいため、湖では対流があり二酸化炭素が湖水下層にとどまらず湖面から常に放出されているのだそうです。

確かに、日本一深い湖の田沢湖も火山湖ですが、湖水表面温度は夏は20度以上、冬は3度まで下がりますもんね~。なるほど。

 

カメルーンは熱帯地域で、年間の気温変動が少ない故に起きた大惨事だったんですね。

二度と起きないことを、今一度祈ります。

 - 社会・ニュース